专利摘要:
エアロゾル化に適するニトライト、亜硝酸塩またはニトライト若しくは一酸化窒素生産性化合物の製剤、ならびに肺動脈性高血圧、鼻腔内若しくは肺細菌感染症の治療のための、または移植に関係する心臓、脳および臓器の虚血性再潅流傷害を治療若しくは予防するための、ニトライト、亜硝酸塩またはニトライト若しくは一酸化窒素供与性化合物のエアロゾル投与のためのそのような製剤の使用を本明細書に開示する。詳細には、前記適応症のために特別に調合され、呼吸器管に送達される吸入ニトライト、亜硝酸塩またはニトライト若しくは一酸化窒素供与性化合物を記載する。組成物は、本明細書に記載するすべての製剤、キット、および装置の組み合わせを含む。方法は、記載する組成物についての吸入手順および生産のための製造プロセスおよび使用を含む。
公开号:JP2011507968A
申请号:JP2010540902
申请日:2008-12-24
公开日:2011-03-10
发明作者:ゲイリー、ティー. エリオット;サーバー、マーク、ダブリュー.;バーカー、ジェフリー、ユージーン
申请人:エイヤーズ ファーマシューティカルズ、インク.;
IPC主号:A61K45-00
专利说明:

[0001] 関連出願の相互参照
本出願は、2007年12月27日付出願の米国仮特許出願第61/017,126号および2008年10月10日付出願の米国仮特許出願第61/104,548号に対して優先権を主張するものであり、前記仮出願は、それら全体がそれらの参照により本明細書に組み込まれる。]
[0002] 本発明は、その幾つかの実施形態において、様々な呼吸器、肺、血管および心血管に対する疾患の治療および/または予防するために、亜硝酸アニオン(NO2−)などの一酸化窒素生産性組成物を所望の解剖学的部位に治療的送達するための液体および乾燥粉末製剤に関する。]
背景技術

[0003] 多数の望ましくない呼吸器、肺、血管および心血管に対する疾患、例えば、肺動脈性高血圧、虚血−再潅流傷害および他の状態において、組織内の局所pHおよび/または酸素張力の有害な減少は、有害な結果、例えば、血管収縮、細胞アポトーシスまたは壊死の誘発、炎症、反応性遊離ラジカルからの組織損傷、および他の臨床的障害を生じさせる。脳卒中、心筋梗塞または血管柄付き移植組織損傷に付随して起こることがあるような肺動脈性高血圧または虚血/再潅流傷害などの状態において、一酸化窒素(NO)生産を特徴とする生理反応は、有益にも、罹患領域において、血管拡張、不適切な細胞増殖の抑制および/または造血性若しくは炎症性細胞浸潤、接着若しくは凝集の阻止を促進することが観察された。これらおよび他の適応症(例えば、微生物感染症)においてそのようなNO効果を活用する治療戦略が熟考され、非常に様々な結果を伴った。]
[0004] 亜硝酸アニオン(「ニトライト」、NO2−)は、一酸化窒素(NO)酸化後に形成し、ならびに血漿中(0.3〜1.0μM)および組織中(1〜20μM)に存在する。組織ニトライトも、血漿ニトライトも、低酸素症およびアシドーシス中にNOに還元され得る。例えば、低組織pHおよび/または低酸素張力で、亜硝酸アニオンは、酸還元または(キサンチンオキシドレダクターゼなどの酵素からの)酵素作用によってNOに還元され得る。しかし、正常生理範囲内と考えられるpHレベルおよび酸素張力では、亜硝酸アニオンは、NO酸化の不活性代謝最終産物と考えられ、限られた生物活性を有する。近生理レベルのニトライトが、生理的酸素勾配に沿ったデオキシヘモグロビンとの反応;酸素およびpH依存性であるという評価ならびに低酸素性血管拡張の一因となる可能性を秘めているという評価を有する化学反応、によってNOに還元されることが、最近、立証された。これらの観察から、ニトライトからの低酸素依存性および/またはpH依存性NO生産は、罹病組織にとって生理的に有益であり得ると考えられる。例えば、NOへの有益なニトライト変換は、梗塞、脳卒中および/または移植後の、肺動脈性高血圧(pulumonary arterial hypertension:PAH)、ならびに心臓、脳、肝臓、肺および他の組織における虚血/再潅流(ischemia/reperfusion:I/R)傷害のような臨床徴候において、急性若しくは慢性血管拡張に、および/または有害な血管再構築の完全若しくは部分的抑制若しくは逆転に関連づけられている。]
[0005] ニトライト依存性NO生産から得られる臨床的利点は、幾つかの血管および他の疾患について記載されているが、所望の組織へのNOの恩恵の有効な送達は、物理化学的要因によって妨げられている。詳細には、NOの不安定性、気体としてのその発生、および生理的分解経路の点からみてその短い生物学的半減期が、罹患している解剖学的部位での有意なNO濃度の持続的集中を達成する障害となった(Hunter et al.,2004)。組織への有効なNO送達が依然として必要とされている適応症の具体的な例としては、以下の段落に記載するものが挙げられる。]
[0006] 肺動脈性高血圧(例えば、Rubin LJ et al.,2006;Gladwin et al.,2006;およびHunter et al.,2004参照)。肺動脈性高血圧(pulmonary arterial hypertension:PAH)を有する殆どの患者は、運動に伴って肺の血流を増加させることができないことを示す労作性呼吸困難を診療所において呈する。労作時胸痛、失神および水腫は、より重度の右心機能障害の徴候である。PAHを有する患者についての予後は、近代療法の出現に伴って向上したとはいえ、依然として恐ろしく、平均余命は、診断後およそ2.5年である。遅れることが多い、PAHの診断の確立は、右心室容積および圧負荷の証拠を明示する心エコー検査によって、多くの場合、行われる。肺動脈圧は、ドップラー技術を用いて心エコー検査中に推定することができる。多くの患者は、最終的に心カテーテル検査を受けて最終診断を裏付ける。]
[0007] PAH発現の具体的な引き金は依然として不明であるが、多数のメカニズムが提案されており、多くが、PAHをターゲットにした治療法に転化された。プロスタノイド、エンドセリン受容体アンタゴニスト(endothelin receptor antagonists:ETAs)およびホスホジエステラーゼ−5(phosphodiesterase−5:PDE5)阻害剤をはじめとする、PAHに現在利用できる治療法は、多くの患者に生活の質および生存の有意な改善をもたらした。しかし、プロスタノイドの投与経路および頻度、ETA受容体アンタゴニストの肝毒性、ならびにETA受容体アンタゴニストとPDE5阻害剤の両方の効能についての懸念は、PAHを有する多くの患者が、投与の容易さ、より大きな投薬間隔および好適な毒性プロフィールなどの現在利用できない利点をもたらす他の有効な治療法の恩恵を受けるであろうことを示唆している。]
[0008] NO誘導低酸素性血管拡張の観察は、このプロセスにおけるインビボNO前駆体としてのニトライトの役割を示唆している。一酸化窒素(NO)の合成に関与する酵素の発現減少および正常な血管内皮の破壊によるNOシグナリングの喪失が、PAHの発現において一定の役割を果たすという提案もある。動脈血管拡張能力および容量の喪失、血管管腔狭窄および肺動脈閉塞は、PAH患者において、少なくとも一部は、一酸化窒素欠乏に起因したので、NOシグナリングの再構成を試みる治療戦略の開発は魅力的である。(Rubin LJ et al.,2006;Gladwin et al.,2006;Hunter et al.,2004)そのような提案にもかかわらず、急速であり、その上、ある期間にわたって継続される、NOまたはインビボNO前駆体の治療有効量の送達は、依然として捕らえどころのない目標である。]
[0009] 一酸化窒素は、通常、酸素正常状態下では内皮NOシンターゼから生産され、基礎血管緊張および血管恒常性の調整(抗血小板活性、酸化/ニトロソ化ストレスならびに炎症、内皮および平滑筋増殖および付着分子発現の調節)に関与する。NOは、パラクリンシグナリング分子として、内皮から近接平滑筋に拡散し、(サイクリックグアノシン一リン酸を生産する)可溶性グアニリルシクラーゼのヘムに貪欲に結合し、サイクリックグアノシン一リン酸依存性プロテインキナーゼを活性化し、最終的には平滑筋弛緩を生じさせる。]
[0010] 鉄−ニトロシル−ヘモグロビン(HbFeII−NO)の動静脈形成が、ヒトの上腕動脈へのニトライト注入中に観察された。すべての実験条件(静止、L−NMMA共注入、および運動)中の鉄−ニトロシル−ヘモグロビンレベルの分析は、オキシヘモグロビン飽和度との著しい逆相間を示した。すなわち、ヘモグロビンが脱酸素化するにつれて、より多くのNOが形成された。これらの生理学的観察は、NOを形成する亜硝酸アニオンとデオキシヘモグロビンとの反応:
NO2−+HbFeII(デオキシヘモグロビン)+H+→NO(一酸化窒素)+HbFeIII+OH
と一致した。]
[0011] この反応は、酸素およびpHセンサー化学種をそれぞれ提供するデオキシヘモグロビンおよびプロトンを必要とし、強力な血管拡張薬NOを生じさせる。]
[0012] その後、形成された多くのNOが近接ヘム上に鉄−ニトロシル−ヘモグロビン(HbFeII−NO)として捕捉され、このようにして静脈血中にNO生産のための貯蔵所が形成される:
NO+HbFeII(デオキシヘモグロビン)→HbFeII−NO(鉄−ニトロシル−ヘモグロビン)
PAHのための治療法としての亜硝酸アニオンの可能性のある使用が考えられた。例えば、New York Heart Association(NYHA)Class III−IV PAH(Rich S.ed.Executive Summary from the World Symposium on Primary Pulmonary Hypertension,1998,Evian,Franceによって定義されたとおり)を有する患者において、右心室不全の結果として生ずる限られた心拍出量は、異常に低い混合静脈血酸素含有量をもたらす。心房中隔裂開術を受けている被験者の研究において、プロスタノイド、ボセンタンまたは利尿薬での治療にもかかわらず、平均混合静脈血酸素飽和度は、45.1±5.0%であり、混合静脈血酸素分圧は、24.4±1.9mmHgであった(Kurzyna et al.,2007)。肺循環血流へのニトライトの送達は、この酸素飽和度付近のピークレダクターゼ活性のため、局所NO生産を最大にするという理論的利点を有する。結果として生ずる肺血管拡張は、肺による酸素取り込み向上、組織への酸素送達、および定常状態条件下でのより高い混合静脈血酸素含有量も生じさせる結果となることがある。運動に伴って発生するようなより高い代謝要求条件下での末梢酸素取り込み増加は、結果として、より低い混合静脈血酸素含有量、および最大レダクターゼ活性へのシフト、および投与されたニトライトからのNO生産増進を生じさせるであろう。PAHのための肺ニトライト送達のそのような明らかな利点にもかかわらず、目下の努力は、NO安定性不良および持続的局所NO生産達成の難しさをはじめとする様々な理由のために期待を裏切り続けている。]
[0013] 発表された研究は、NOレベル減少も血管再構築を刺激することを示している(Ozaki et al.,2001;Chou et al.,2005;Yamashita et al.,2007)。このために、NO減少は、血管肥大および新生内膜肥厚におけるシグナルとして通常は機能するプロアポトーシスキナーゼ(ASK1)を阻害する。これらの有害事象は、低い一酸化窒素レベルに応答して発生し、それによってASK1が阻害され、プロアポトーシス効果が失われると思われる。正常な基礎NO生成条件下では、ASK1プロアポトーシス活性は維持され、これらの有害事象は発生しない(Yamashita et al.,2007)。健常血管形態の維持におけるNOの重要性をさらに例証するために、内皮一酸化窒素シンターゼ(endothelial nitric oxide synthase:eNOS)によって合成される内因性NOの刺激が、慢性的低酸素によって誘導される肺血管構造再構築を防止することが証明された。全体として考えると、NOレベル上昇は、有害な肺血管再構築に対する予防メカニズムを提供すると思われる(Ozaki et al.,2001)。]
[0014] 虚血性再潅流傷害:冠動脈性心疾患(例えば、Yellon D.M.and Hausenloy,2007;Duranski et al.,2005参照)。冠動脈性心疾患は、世界的に死亡の主因であり、380万人の男性および340万人の女性が毎年この疾病で死亡している。急性心筋梗塞後、血栓溶解療法または一次経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention:PCI)を用いる早期の成功を収める心筋再潅流は、心筋梗塞のサイズを低下させる、および臨床的結果を向上させるための最も有効な戦略である。しかし、虚血心筋層への血流を回復させるプロセスは、傷害を誘導し得る。心筋再潅流傷害と呼ばれるこの現象は、心筋再潅流の有益効果を逆説的に低下させ得る。]
[0015] 致死性再潅流傷害と呼ばれる、心筋再潅流傷害の潜在的に有害な形態は、虚血エピソード後の冠血流量の回復によって引き起こされる心筋傷害と定義される。この傷害は、心筋再潅流直前まで生存可能であった心筋細胞を死滅させる結果となる。自動的に心筋細胞死を誘導し、梗塞サイズを増加させ得る、このタイプの心筋傷害によって、最適な心筋再潅流にもかかわらず、急性心筋梗塞後の死亡率が10%に達すること、および急性心筋梗塞後の心不全の発生率がほぼ25%であることの理由を、一部、説明することができる。]
[0016] 虚血組織の再潅流は、可逆的に損傷した細胞の回復および生存に必要な酸素および代謝物質を提供するが、実際には、再潅流それ自体が、細胞壊死の加速を生じさせる結果となる。虚血性再潅流(ischemic reperfusion:I/R)傷害は、虚血組織への酸素分子の再導入によって酸素ラジカルを形成し、その結果、広範にわたる脂質およびタンパク質酸化修飾、ミトコンドリア損傷、ならびに組織アポトーシスおよび壊死が生ずることを特徴とする。加えて、虚血組織の再潅流後、血流量は、虚血組織のすべての部分に均一に戻らないことがある:「ノー・リフロー現象」と呼ばれる現象。再潅流後の血流量減少は、細胞損傷および壊死の一因となると考えられる。虚血組織への血液の突然の再導入は、塊状組織破壊、酵素放出、高エネルギーリン酸塩貯有量の減少、ミトコンドリア損傷および壊死も生じさせる結果となる。さらに、I/R傷害が、白血球と内皮細胞接着分子の両方のアップレギュレーションによって媒介される白血球−内皮細胞相互作用を生じさせる結果となる微小循環における不適切な炎症反応を特徴とすることも、示唆されている。組織損傷および壊死の程度を制限するために集中的研究努力がI/R傷害の様々な病態生理要素の改善に焦点を合わせている。]
[0017] 急性心筋梗塞の動物モデルにおける研究によって、致死性再潅流傷害が心筋梗塞の最終サイズの50%以下を占めることが示唆され、これらのモデルにおいて多数の戦略が致死性再潅流傷害を改善することが証明された。しかし、これらの有益な効果の臨床環境への転換は、期待はずれであった。それにもかかわらず、最近の論証(例えば、Lefer et al.,1993)は、一酸化窒素供与体、例えばニトライトおよび亜硝酸塩、ならびに他のNO供与体、例えばSPM−5185およびSPM−5267によって生産される一酸化窒素が、心筋層に対する虚血性前潅流傷害を制限し得ることを示唆している。理論的には生体内利用可能なNOの局所的増加によってもたらされる可能性のある恩恵の認識にもかかわらず、そのような増加の現実的達成は、依然として難しい、捕らえどころのない目標である。]
[0018] NO、NO供与体およびNOシンターゼ活性化またはトランスジェニック過発現は、多数の報告されている実験モデル系において再潅流傷害に対抗する保護効果を発揮することが証明されているが、他の実験モデルを使用して蓄積された反証は、このプロセスにおける過剰なNOの有害な帰結を指し示す。これらの研究の評価は、NO曝露の投与量および継続時間の変化が有意な影響を及ぼし、その結果、I/R病態生理におけるNOの狭い治療安全性窓を生じさせることを示唆している。さらなる制約は、NOシンターゼからのNO形成が、基質として酸素を必要とし、虚血中はその酸素の利用率が制限されることである。それ故、低酸素張力を有する組織において、ニトライトは、例えばまだ特性づけされていない生理的調節プロセスにより、NOに選択的に還元されることがある。]
[0019] 例えば、低pHおよびNOの併発が、ヘムタンパク質を還元および配位状態で維持して、遊離鉄媒介およびヘム媒介酸化化学現象を制限すること、ミトコンドリア呼吸を一時的に抑制すること(ミトコンドリアシトクロムCオキシダーゼの阻害を含む)、およびアポトーシス作動因子を調節することは公知である。従って、これらのメカニズムの1若しくはそれ以上が、重度虚血後に観察される細胞傷害性の一因となり得る。心筋I/R傷害の制御されたマウスモデルにおけるニトライト療法の評価は、例えば、NOおよびニトロソ化またはニトロシル化タンパク質へのニトライトの低酸素依存性バイオコンバージョンによって媒介される、細胞壊死およびアポトーシスに対するニトライトの保護効果の証拠を提供した(Duranski et al.,2005)。]
[0020] 虚血性再潅流傷害:脳卒中(例えば、Jung et al.,2006参照)。虚血性脳卒中に関与する基礎メカニズムへの最近の洞察は、酸化ストレスおよび炎症と共に内皮機能不全が脳虚血/再潅流(ischemia/reperfusion:I/R)傷害における重要な段階を意味することを示している。一酸化窒素(NO)は、主として、内皮完全性を維持する内皮生存因子および血流量を調整する血管拡張薬で知られている。可能性のある保護剤としての、その主な役割に加えて、NOは、ニューロン生存を向上させることができ、白血球凝集および好中球接着を抑制することができ、ならびに反応性遊離ラジカルを捕集することができ、従って、虚血傷害を低減することができる。しかし、再潅流後の超酸化物およびNOの生産の付随的急増は、ペルオキシニトライト、強力な酸化剤、の形成につながる。これまでの証拠は、そのレベル、その位置、その源およびその環境に依存して、I/R後の保護作用と毒性作用の両方にNOを関連づけることができることを示している。]
[0021] NOシンターゼ(NO synthase:NOS)は、NOの主生理源である。しかし、NOSの酵素活性は、酸素を必要とし、低酸素下では遮断される。従って、NOの低酸素性放出のための代替経路は、高い生理学的関連性を有する。NOを遊離する薬剤は、特に虚血性疾患において、治療のために重要である可能性が高いと認識されている。様々な構造的に異なるNO前駆体およびNO供与体が、NO依存適様式で半影領域における血流を改善することおよび酸化ストレスを低下させることにより、梗塞サイズを制限することは証明されている。最近の研究は、虚血性疾患の治療のためにNOを形成することができる前駆体としてのニトライトの利用を支持している。デオキシヘモグロビン、ミオグロビン、組織ヘムタンパク質、および非酵素的不均衡化による還元の結果として、亜硝酸アニオンが還元されてNOになる。ニトライトからのNO形成および、同時に、血管拡張効果は、アシドーシス、低酸素、および組織I/Rの条件下で増加される。ニトライトのNOへの生化学的変換についてのこの理解向上は、上でも述べたような、この非常に不安定な媒介因子の局在レベルの調整に付随する認知されている難題にもかかわらず、虚血の動物モデルにおけるニトライト療法の潜在的に有益な効果への多大な関心を生じさせる結果となった。]
[0022] 虚血性脳環境は、ニトライトのNOへの酸性および低酸素性還元に備えるものであり得る。脳虚血性再潅流傷害のラットモデルにおいて、対照療法と比較したニトライト療法の評価は、ニトライトが、虚血脳において抗酸化剤特性を伴う非常に大きな神経保護効果を発揮する証拠を提供した。従って、ニトライトは、適切な条件下でNOを形成することができる前駆体として、急性脳卒中の環境での新規治療薬の代表であり得る。]
[0023] 虚血性再潅流傷害:肺移植(例えば、de Perrot et al.,2003;およびEsme et al.,2006参照)。1983年以来、肺移植は、益々の成功を享受しており、最末期肺疾患の治療の主力となっている。肺保存の進歩ならびに外科手術技術および手術中のケアの向上にもかかわらず、虚血再潅流誘導肺傷害は、依然として、肺移植後の早期罹患率および死亡率の有意な原因である。この症候群は、移植後最初の72時間以内に概して発生し、ならびに非特異的肺胞損傷、肺水腫および低酸素血症を特徴とする。その臨床スペクトルは、胸部X線で殆ど浸潤巣を伴わない軽度低酸素血症から、陽圧換気法、薬理療法および時には体外膜型肺を必要とする進行した急性呼吸不全症候群に類似した病像にわたり得る。この症候群を記述するために多数の用語が用いられているが、虚血−再潅流傷害が最も一般的に用いられており、死または72時間を超える長時間機械的換気につながることが多い最重症形態の損傷に起因する原発性移植片機能不全を伴う。手術後早期の有意な罹患率および死亡率に加えて、重症虚血−再潅流傷害は、長期間の移植片機能不全に至ることがある急性拒絶反応のリスク増加も伴うことがある。]
[0024] 原発性移植片機能不全は、移植後、脳死時から肺再潅流時までに発生する一連の臨床発作の最終結果である。虚血−再潅流傷害は、原発性移植片機能不全の主因として特定されている。しかし、回復手技前にドナーにおいて発生する他の傷害が、虚血および再潅流の病変の一因となることおよび該病変を増幅することもある。従って、肺移植医師の注意は、虚血−再潅流傷害の重症度および原発性移植片機能不全の発生を低下させるために、ドナー肺の選択的評価、有効な肺保存技術、および再潅流後の移植肺の注意深い管理に集中している。ドナー肺評価とは、潅流後にそれらの機能を有意に損なうことなく、数時間の虚血期間に対処することができる肺を選択する試みである。残念なことに、現在、ドナー肺の10から30%しか、移植に適すると判定されない。]
[0025] 移植に選択された肺は、一般に、保存溶液でフラッシュされ、それらの代謝率およびエネルギー必要量を低下させるためにレシピエントへの内植まで低体温保存される。低温虚血保管期間は、できる限り短く保たれ、通常は、ドナーの位置によって約4から8時間の範囲である。低体温法は、臓器保管に必要不可欠であるが、それは、再潅流後、パッセンジャー(ドナー)およびレシピエント白血球を最終的には活性化することとなる、細胞表面膜上の一定の分子のアップレギュレーションおよび炎症性媒介因子の放出を誘導し得る一連の事象、例えば、酸化ストレス、ナトリウムポンプ不活性化、細胞内カルシウム過負荷、鉄遊離、および細胞死の誘導を伴う。長時間の虚血は、再潅流にもかかわらず持続的血流閉塞およびその後の虚血に至る有意な微小血管傷害によって明示される「ノー・リフロー現象」を生じさせる結果となることもある。]
[0026] 過去10年にわたって、肺保存技術を最適化するために非常に多数の研究が行われてきた。低カリウム濃度とデキストランを併用する新たな保存溶液も肺のために特別に開発された。虚血/再潅流誘導肺損傷の予防および治療のための幾つかの戦略が臨床的実施に導入され、結果として、重症虚血再潅流傷害の発生率をおよそ30%から15%若しくはそれ以下に低下させた。]
[0027] 虚血肺移植環境は、上で論じたニトライトのNOへの酸性および低酸素性還元に寛容であり得る。例えば、虚血ウサギ肺モデルにおけるフラッシュ潅流および再潅流中に一酸化窒素供与体ニトログリセリンを含めることは、インサイチュー正常体温虚血肺モデル療法中の再潅流傷害に対する肺機能の保護効果の様相と一致した(Emse et al,2006)。]
[0028] 虚血性再潅流傷害:腎臓移植(例えば、Neto et al.,2004参照)。腎臓移植片の虚血性再潅流(ischemic reperfusion:I/R)傷害は、腎移植成功に対する主な有害要因の1つと考えられている。移植直後の期間、I/R傷害は、移植された移植片の遅発性または原発性機能不全のリスク増加の原因となり得、移植後のレシピエント管理を複雑にし、その結果、高い罹患率および死亡率を伴う。加えて、臨床的および実験的研究において、I/R傷害は、一部は同種抗原特異的免疫反応の加速による、慢性同種移植片腎症の早期出現および短い移植片寿命の素因における重要なリスク因子として特定された。現在の移植用臓器不足のため、ドナープールは、マージナルドナー(例えば、老人ドナー、心拍停止ドナー、長期低温保管した移植片)の使用で拡充されており、これらのドナーからの移植片は、より高い重症低温I/R傷害発生率を有する。]
[0029] 腎臓におけるI/R傷害は、持続性腎内血管収縮、微小血管内皮細胞および尿細管上皮細胞の損傷、ならびに炎症性カスケードの活性化の病態生理学的特徴をもたらす結果となる、複雑な後遺症を有する。それは、低温保存中の酸素不足およびATP枯渇、それに続く細胞内カルシウムおよびナトリウム濃度の変化ならびに細胞傷害性酵素(例えば、プロテアーゼ、ホスホリパーゼなど)の活性化によって引き起こされる。腎臓移植片のその後の加温再潅流は、反応性酸素種の生成の急速な増加を開始させ、それが、さらに、細胞損傷を促進し、炎症性カスケードを活性化する。腎I/R傷害中に血管内皮細胞損傷および付着分子のアップレギュレーションも関係し、その結果、血管収縮、血小板活性化および白血球血管外遊出の増加が生じ、その後、それらがさらなる炎症性傷害をもたらす。]
[0030] 虚血性再潅流傷害:肝臓移植(例えば、Lang et al.,2007参照)。肝臓虚血と結果として起こる再潅流は、肝細胞損傷および肝機能不全をもたらす多数の細胞、ホルモンおよび生化学的事象を生じさせる結果となる。肝虚血/再潅流(ischemia/reperfusion:IR)傷害は、原発性移植片機能不全および移植片の初期機能不良を生じさせる結果となる重大な再潅流症候群の素因を患者に作り得る、肝臓移植の有意な合併症である。加えて、IR傷害へのマージナル肝の感受性増大は、移植に利用できる数を制限する。同種移植片移植中の肝臓I/Rの外乱を縮小する薬理学的アプローチは、大部分は関係する複雑なメカニズムに起因して、一般に不成功に終わっている。肝I/R傷害の実験的研究は、浸潤性多形核細胞(polymorphonuclear cells:PMNs)およびT細胞、クッパー細胞および内皮細胞の活性化、ならびにROS/反応性窒素種(ROS/reactive nitrogen species:ROS/RNS)の形成についての役割を示している。この複雑さは、一部は、傷害応答の時間的に異なる段階での異なる媒介因子および細胞タイプの関与から、ならびに研究される実験モデルの性質(種、年齢、性別など)から生ずる。関与する正確なメカニズムに関係なく、炎症および細胞傷害性増加は、肝臓I/R傷害の病理発生中の肝細胞機能不全の重要な要素であり、治療的介入のターゲットを提供する。]
[0031] 最近、同所肝臓移植を受けているヒトにおける再潅流1時間以内のeNOS(NOS3としても公知)からのNOの肝臓の酵素的生産減少は、観察されるI/R依存性傷害の一因となることが示唆された。さらに、マウスにおける研究により、NO供与体の投与または肝eNOSの過発現は肝臓におけるI/R傷害を抑制することが証明された。I/R傷害におけるNO媒介保護は、細胞保護作用、抗炎症作用、ミトコンドリア呼吸の調節、抗酸化剤作用、および肝類洞内の類洞前部位での血管運動神経緊張の維持をはじめとする、多数のメカニズムによって発生し得る。しかし、NOは、ペルオキシニトライトをはじめとする二次的RNSの形成により、I/R傷害の一因となる場合もある。]
[0032] 吸入一酸化窒素ガス(inhaled nitric oxide gas:iNO)は、炎症媒介肺損傷で苦しんでいる患者における酸素張力低下および肺動脈圧低下の治療に、および心室補助装置内の流れの増進を助長するために、ほぼ20年間、臨床使用されている。残念なことに、肺関連疾患のためのファーストライン治療薬としてのその投与が臨床的証拠によって裏付けられないので、成人におけるその使用は、限られた成功しか果たしていない。iNOが肺胞毛細血管膜を横断すると、赤血球中のオキシまたはデオキシヘモグロビンとの急速な反応によってそれが不活性化されるというのが、従来の考え方であった。しかし、Kubesらによる精液の研究は、この概念を捨てて、iNOが、好中球接着を防止することにより腸間膜血管において肺外生物活性を有することをI/R傷害のネコモデルにおいて立証した。これらの概念が拡大されて、iNOが、マウスにおいて心筋I/R傷害を抑制すること、心−肺バイパスを受けている患者において心筋損傷を抑制すること、健常ボランティアにおいて前腕血流を向上させること、および膝の手術を受けている患者においてI/R依存性炎症性傷害を抑制することが証明された。]
[0033] iNOが肺外作用を如何にして媒介するかは依然として不明であり、iNOが循環血流中で比較的安定なNO含有中間体を形成し、その後、それが全身作用を直接、またはNOに再循環された後、媒介するというのが一般的な仮説である。I/Rのネコモデルにおける最近の証拠は、この中間体が、血漿S−ニトロソチオール(S−nitrosothiols:SNO)(例えば、S−ニトロソアルブミン)であり得ることを示唆しているが、ヒトおよびマウスにおける研究は、可能性のある媒介因子としてニトライトを示している。ニトライトの直接投与は、ことによると、虚血条件下でのNOへのニトライト還元について上で説明した生物学的メカニズムの効果として、マウスモデルにおいて肝および心筋I/R傷害に対する保護をもたらした。生体内条件下で比較的不安定である循環血流中の他のNO含有候補も、NO吸入によって(ニトロシル化またはS−ニトロソ化反応によって)形成され得ることに留意されたい。これらとしては、赤血球中のSNO、ニトロシルヘモグロビン(HbNO)第一鉄、およびC−またはN−ニソロサミン(XNOとも呼ばれる)が挙げられる。iNOを受ける患者は、PMN蓄積に対する影響を殆ど伴わず、肝細胞死の抑制を伴う、移植後の肝機能向上を示した。加えて、これらの患者における異なるNO誘導体の測定は、ニトライトの循環レベルの増加によってiNOの有益な効果が生じ得ることを示唆した。]
発明が解決しようとする課題

[0034] PAH、I/R傷害、移植、生体臓器機能不全および他のものなどの多数の臨床関連状況でのNOの役割に関する証拠のそのような蓄積にもかかわらず、適切な組織部位に適切なNO源を適切な量で、適切な期間、有効に送達するための改善された組成物および方法が、依然として、明確に必要とされている。今般開示する発明の実施形態は、この要求に対処し、他の関連した利点を提供するものである。]
課題を解決するための手段

[0035] 本発明の一定の実施形態に従って、(a)7.0より大きいpHを有するニトライト化合物水溶液と、(b)酸性賦形剤水溶液とを含む、肺送達のためのニトライト化合物製剤組成物を提供し、この場合、(a)と(b)を混合してニトライト化合物製剤を形成すると、(i)前記ニトライト化合物は、約0.667mg NO2−/mLから約100mg NO2−/mLの濃度で存在し、(ii)前記ニトライト化合物製剤は、約4.7から約6.5のpHを有し、および(iii)混合後少なくとも15、30、45または60分間は一酸化窒素バブルが視覚的に検出できない。さらなる実施形態において、(a)と(b)を混合すると、前記ニトライト化合物は、酸性賦形剤に対して150:1、200:1または250:1を超えるモル比で存在する。]
[0036] 他の実施形態において、本発明の一定の実施形態に従って、(a)7.0より大きいpHを有するニトライト化合物水溶液と、(b)酸性賦形剤水溶液とを含む、肺送達のためのニトライト化合物製剤組成物を提供し、この場合、(a)と(b)を混合してニトライト化合物製剤を形成すると、(i)前記ニトライト化合物は、約0.667mg NO2−/mLから約100mg NO2−/mLの濃度で存在し、(ii)前記ニトライト化合物製剤は、約4.7から約6.5のpHを有し、および(iii)前記ニトライト化合物は、酸性賦形剤に対して150:1、200:1または250:1を超えるモル比で存在する。一定のさらなる実施形態において、前記ニトライト化合物製剤を霧化(例えば、振動メッシュ式霧化)して、約0.1から5.0マイクロメートル体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルを形成すると、該エアロゾルは、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含む。一定の他のさらなる実施形態において、混合後15分以内に、ネブライザ(例えば、振動メッシュ式ネブライザ)による前記ニトライト化合物製剤の霧化は、ニトライト化合物水溶液のネブライザによる霧化と比べて検出可能に損なわれない。一定の他のさらなる実施形態において、前記ニトライト化合物製剤組成物は、味マスキング剤をさらに含み、一定の尚さらなる実施形態において、該味マスキング剤は、サッカリンナトリウムを含む。]
[0037] 他の実施形態において、約4.7から約6.5のpHを有する水溶液を含む肺送達のためのニトライト化合物製剤を提供し、前記溶液は、(a)約0.667mg NO2−/mLから約100mg NO2−/mLの濃度のニトライト化合物と、(b)約0.021mMから約3.2mMの濃度のクエン酸とを含む。一定の実施形態において、前記ニトライト化合物製剤を霧化(例えば、振動メッシュ式霧化)して、約0.1から5.0マイクロメートル体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルを形成すると、該エアロゾルは、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含む。一定の他のさらなる実施形態において、前記ニトライト化合物製剤は、味マスキング剤をさらに含み、一定の尚さらなる実施形態において、前記味マスキング剤は、サッカリンナトリウムを含む。]
[0038] 一定の実施形態によると、約4.7から約6.5のpHを有する水溶液を含む肺送達のためのニトライト化合物製剤を提供し、前記溶液は、(a)約0.667mg NO2−/mLから約100mg NO2−/mLの濃度のニトライト化合物と、(b)5.1と6.8の間のpKaを有し、23℃で少なくとも1時間の期間にわたって約4.7から約6.5のpHを維持するために十分な濃度で存在する緩衝剤と、(c)味マスキング剤とを含む。一定の実施形態において、前記ニトライト化合物製剤は、そのニトライト化合物製剤を霧化(例えば、振動メッシュ式霧化)して、約0.1から5.0マイクロメートル体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルを形成すると、該エアロゾルは、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含む。一定の他の実施形態において、前記緩衝剤は、リンゴ酸塩、ピリジン、ピペラジン、コハク酸塩、ヒスチジン、マレイン酸塩、BIS−TRIS、ピロリン酸塩、PIPES、ACES、ヒスチジン、MES、カコジル酸、H2CO3/NaHCO3およびN−(2−アセトアミド)−2−イミノ二酢酸(N−(2−Acetamido)−2−iminodiacetic acid:ADA)から選択される。]
[0039] 別の実施形態において、約4.7から約6.5のpHおよび約100から約3600mOsmol/kgの重量オスモル濃度を有する水溶液を含む肺送達のためのニトライト化合物製剤を提供し、前記溶液は、(i)約0.667mg NO2−/mLから約100mg NO2−/mLの濃度のニトライト化合物と、(ii)5.1と6.8の間のpKaを有するpH緩衝剤とを含み、この場合、前記ニトライト化合物製剤を霧化(例えば、振動メッシュ式霧化)して、約0.1から5.0マイクロメートル体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルを形成すると、該エアロゾルは、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含む。特定の実施形態において、前記ニトライト化合物製剤は、(a)味マスキング剤をさらに含むニトライト化合物製剤、(b)ニトライト化合物濃度が少なくとも16.7mg NO2−/mLであるニトライト化合物製剤であって、味マスキング剤をさらに含むものである該製剤、(c)重量オスモル濃度が約650mOsmol/kg未満であり、ニトライト化合物がpH緩衝剤に対して150:1、200:1、250:1、300:1、400:1または500:1を超えるモル濃度で存在するニトライト化合物製剤、ならびに(d)重量オスモル濃度が約1000mOsmol/kg未満[50mg NO2−/mL]であり、ニトライト化合物がpH緩衝剤に対して150:1、200:1、250:1、300:1、400:1または500:1を超えるモル濃度で存在するニトライト化合物製剤であって、味マスキング剤をさらに含むものである該製剤、から選択される。一定の尚さらなる実施形態において、前記味マスキング剤は、サッカリンナトリウムを含む。一定の他の実施形態において、前記pH緩衝剤は、リンゴ酸塩、ピリジン、ピペラジン、コハク酸塩、ヒスチジン、マレイン酸塩、BIS−TRIS、ピロリン酸塩、PIPES、ACES、ヒスチジン、MES、カコジル酸、H2CO3/NaHCO3およびN−(2−アセトアミド)−2−イミノ二酢酸(N−(2−Acetamido)−2−iminodiacetic acid:ADA)から選択される。]
[0040] 一定の実施形態において、本発明のニトライト製剤は、低い鉄濃度を有し、鉄のニトライトに対する割合は、1.1 重量/重量 未満である。他の関連実施形態において、前記ニトライト製剤は、ほんの微量の鉄しか含有しない。]
[0041] 約4.7から約6.5のpHおよび約100から約3600mOsmol/kgの重量オスモル濃度を有する水溶液を含む肺送達のためのニトライト化合物製剤も一定の実施形態に従って提供し、前記溶液は、(i)約0.667mg NO2−/mL[14.5mM]から約100mg NO2−/mL[2.174M]の濃度のニトライト化合物と、(ii)クエン酸とを含み、この場合、前記ニトライト化合物製剤を霧化(例えば、振動メッシュ式霧化)して、約0.1から5.0マイクロメートル体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルを形成すると、該エアロゾルは、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含む。一定のさらなる実施形態によると、前記ニトライト化合物製剤は、(a)味マスキング剤をさらに含むニトライト化合物製剤、(b)ニトライト化合物濃度が少なくとも16.7mg NO2−/mL[362.5mM]であるニトライト化合物製剤であって、味マスキング剤をさらに含むものである該製剤、(c)重量オスモル濃度が約650mOsmol/kg未満であり、ニトライト化合物がpH緩衝剤に対して150:1、200:1、250:1、300:1、400:1または500:1を超えるモル濃度で存在するニトライト化合物製剤、ならびに(d)重量オスモル濃度が約1000mOsmol/kg未満であり、ニトライト化合物がpH緩衝剤に対して150:1、200:1、250:1、300:1、400:1または500:1を超えるモル濃度で存在するニトライト化合物製剤であって、味マスキング剤をさらに含むものである該製剤、から選択される。一定の実施形態において、前記味マスキング剤は、サッカリンナトリウムを含む。]
[0042] 一定の実施形態は、約4.7から約6.5のpHを有する水溶液を含む肺送達のためのニトライト化合物製剤も提供し、前記溶液は、亜硝酸ナトリウムとサッカリンナトリウムとクエン酸とを含み、この場合、(i)前記亜硝酸ナトリウムは、サッカリンナトリウムに対して、約1.3×103:1から約4.4×103:1のモル比で前記溶液中に存在し、および (ii)前記亜硝酸ナトリウムは、クエン酸に対して、約2.0×102:1から約6.9×102:1のモル比で前記溶液中に存在する。さらなる実施形態において、前記ニトライト化合物製剤を霧化(例えば、振動メッシュ式霧化)して、約0.1から5.0マイクロメートル体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルを形成すると、該エアロゾルは、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含む。]
[0043] もう1つの実施形態において、約0.1から約5マイクロメートルの体積平均径の霧化液体粒子を提供し、この霧化液体粒子は、(1)(a)7.0より高いpHを有するニトライト化合物水溶液と(b)酸性賦形剤水溶液とを混合して、ニトライト化合物製剤を形成する段階と、(2)前記混合段階の約15〜30分以内に、振動メッシュ式ネブライザおよびジェット式ネブライザの少なくとも一方において(1)のニトライト化合物製剤を霧化して、前記霧化液体粒子を含むエアロゾルを得る段階とを含む方法によって形成され、この場合、(i)前記ニトライト化合物は、約0.667mg NO2−/mL[14.5mM]から約100mg NO2−/mL[2.174M]の濃度で前記ニトライト化合物製剤中に存在し、(ii)前記ニトライト化合物製剤は、約4.7から約6.5のpHを有し、および(iii)前記エアロゾルは、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含む。さらなる実施形態において、前記霧化液体粒子は、前記ニトライト化合物製剤中のニトライト化合物濃度が少なくとも16.7mg NO2−/mL[362.5mM]である、(a)段階(1)が味マスキング剤の混合をさらに含む方法によって形成されるのでニトライト化合物製剤が該味マスキング剤を含む粒子、および(b)段階(1)が味マスキング剤の混合をさらに含む方法によって形成されるのでニトライト化合物製剤が該味マスキング剤を含む粒子、から選択される。さらなる実施形態において、前記味マスキング剤は、サッカリンナトリウムを含む。]
[0044] もう1つの実施形態において、約4.7から約6.5のpHを有する水溶液を含む、約0.1から5マイクロメートルの体積平均径の霧化液体粒子も提供し、前記溶液は、(a)約0.667mg NO2−/mLから約100mg NO2−/mLの濃度のニトライト化合物と、(b)約0.021mMから約3.2mMの濃度で存在するクエン酸とを含み、この場合の霧化液体粒子は、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含むエアロゾル中に存在する。もう1つの実施形態において、約4.7から約6.5のpHを有する水溶液を含む、約0.1から5マイクロメートルの体積平均径の霧化液体粒子を提供し、前記溶液は、(a)約0.667mg NO2−/mLから約150mg NO2−/mLの濃度のニトライト化合物と、(b)5.1と6.8の間のpKaを有し、23℃で少なくとも1時間の期間にわたって約4.7から約6.5のpHを維持するために十分な濃度で存在する緩衝剤とを含み、この場合の霧化液体粒子は、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含むエアロゾル中に存在する。一定の他の実施形態において、前記緩衝剤は、リンゴ酸塩、ピリジン、ピペラジン、コハク酸塩、ヒスチジン、マレイン酸塩、BIS−TRIS、ピロリン酸塩、PIPES、ACES、ヒスチジン、MES、カコジル酸、H2CO3/NaHCO3およびN−(2−アセトアミド)−2−イミノ二酢酸(N−(2−Acetamido)−2−iminodiacetic acid:ADA)から選択される。]
[0045] もう1つの実施形態において、約4.7から約6.5のpHおよび約100から約3600mOsmol/kgの重量オスモル濃度を有する水溶液を含む、約0.1から約5マイクロメートルの体積平均径の霧化液体粒子を提供し、前記溶液は、(i)約0.667mg NO2−/mLから約100mg NO2−/mLの濃度のニトライト化合物と、(ii)5.1と6.8の間のpKaを有するpH緩衝剤とを含み、この場合の霧化液体粒子は、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含むエアロゾル中に存在する。一定の実施形態において、前記緩衝剤は、リンゴ酸塩、ピリジン、ピペラジン、コハク酸塩、ヒスチジン、マレイン酸塩、BIS−TRIS、ピロリン酸塩、PIPES、ACES、ヒスチジン、MES、カコジル酸、H2CO3/NaHCO3およびN−(2−アセトアミド)−2−イミノ二酢酸(N−(2−Acetamido)−2−iminodiacetic acid:ADA)から選択される。]
[0046] 一定の他の実施形態において、約4.7から約6.5のpHおよび約100から約3600mOsmol/kgの重量オスモル濃度を有する水溶液を含む、約0.1から約5マイクロメートルの体積平均径の霧化液体粒子を提供し、前記溶液は、(i)約0.667mg NO2−/mLから約100mg NO2−/mLの濃度のニトライト化合物と、(ii)クエン酸とを含み、この場合の霧化液体粒子は、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含むエアロゾル中に存在する。上で説明した霧化液体粒子の一定のさらなる実施形態において、前記粒子は、(a)味マスキング剤をさらに含む霧化液体粒子、(b)ニトライト化合物濃度が少なくとも16.7mg NO2−/mLである霧化液体粒子であって、味マスキング剤をさらに含むものである該霧化液体粒子、(c)ニトライト化合物製剤を含む粒子であって、該ニトライト化合物製剤における重量オスモル濃度が約650mOsmol/kg未満でありおよびニトライト化合物がpH緩衝剤に対して150:1、200:1、250:1、300:1、400:1または500:1を超えるモル濃度で存在するものである前記粒子、ならびに(d)ニトライト化合物製剤を含む粒子であって、該ニトライト化合物製剤における重量オスモル濃度が約1000mOsmol/kg未満でありおよびニトライト化合物がpH緩衝剤に対して150:1、200:1、250:1、300:1、400:1または500:1を超えるモル濃度で存在し、該製剤が味マスキング剤をさらに含むものである前記粒子、から選択される。さらなる実施形態において、前記味マスキング剤は、サッカリンナトリウムを含む。]
[0047] 一定の他の実施形態に従って、約4.7から約6.5のpHを有する水溶液を含む、約0.1から約5マイクロメートルの体積平均径の霧化液体粒子を提供し、前記溶液は、亜硝酸ナトリウムとサッカリンナトリウムとクエン酸とを含み、この場合、(i)前記亜硝酸ナトリウムは、サッカリンナトリウムに対して、約1.3×103:1から約4.4×103:1のモル比で前記溶液中に存在し、(ii)前記亜硝酸ナトリウムは、クエン酸に対して、約2.0×102:1から約6.9×102:1のモル比で前記溶液中に存在し、および(iii)該霧化液体粒子は、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含むエアロゾル中に存在する。]
[0048] 一定の他の実施形態において、ニトライト化合物を肺床に送達する方法を提供し、この方法は、上で説明したような1つまたは多数の霧化液体粒子を吸入によって投与することを含む。一定の実施形態において、前記1つまたは多数の霧化液体粒子は、(a)味マスキング剤をさらに含む霧化液体粒子、(b)ニトライト化合物濃度が少なくとも16.7mg NO2−/mLである霧化液体粒子であって、味マスキング剤をさらに含むものである該霧化液体粒子、(c)ニトライト化合物製剤を含む霧化液体粒子であって、該ニトライト化合物製剤における重量オスモル濃度が約650mOsmol/kg未満でありおよびニトライト化合物がpH緩衝剤に対して150:1、200:1、250:1、300:1、400:1または500:1を超えるモル濃度で存在するものである霧化液体粒子、ならびに(d)ニトライト化合物製剤を含む霧化液体粒子であって、前記ニトライト化合物製剤における重量オスモル濃度が約1000mOsmol/kg未満でありおよびニトライト化合物がpH緩衝剤に対して150:1、200:1、250:1、300:1、400:1または500:1を超えるモル濃度で存在し、該製剤が味マスキング剤をさらに含むものである前記霧化液体粒子から選択される。一定のさらなる実施形態において、前記味マスキング剤は、サッカリンナトリウムを含む。]
[0049] もう1つの実施形態において、肺床にニトライト化合物の治療有効量を送達するための方法を提供し、この方法は、(a)(i)7.0より高いpHを有するニトライト化合物水溶液と(ii)酸性賦形剤水溶液とを混合して、ニトライト化合物製剤を形成する段階[この場合、(1)前記ニトライト化合物は、約0.667mg NO2−/mLから約100mg NO2−/mLの濃度で存在し、および(2)前記ニトライト化合物製剤は、約4.7から約6.5のpHを有する]と;(b)前記混合段階後6、5、4、3、2、1、0.75、0.5または0.25時間未満の期間内に、(a)のニトライト化合物製剤を霧化して、約0.1から約5マイクロメートルの体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルを形成する段階[この場合、前記エアロゾルは、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含む]と;(c)(b)のエアロゾル化懸濁物を吸入によって投与し、それによってニトライト化合物の治療有効量を肺床に送達する段階とを含む方法。1つの実施形態において、前記方法は、吸入後、少なくとも60分の肺床へのニトライト化合物送達のピーク期間を有する。もう1つの実施形態において、前記方法は、混合段階後少なくとも35分の肺床へのニトライト化合物送達のピーク期間を有する。]
[0050] もう1つの実施形態において、約4.7から約6.5のpHを有する水溶液を含む、肺送達のためのニトライト化合物製剤を提供し、前記溶液は、亜硝酸ナトリウムとクエン酸とを含み、この場合、亜硝酸ナトリウムは、クエン酸に対して、約2.0×102:1から約6.9×102:1のモル比で前記溶液中に存在する。もう1つの実施形態において、約4.7から約6.5のpHを有する水溶液を含む、肺送達のためのニトライト化合物製剤を提供し、前記溶液は、亜硝酸ナトリウムとサッカリンナトリウムとを含み、この場合、亜硝酸ナトリウムは、サッカリンナトリウムに対して、約1.3×103:1から約4.4×103:1のモル比で前記溶液中に存在する。一定のさらなる実施形態において、約0.1から約5マイクロメートルの体積平均径の液体粒子に霧化(例えば、振動メッシュ式霧化)すると、前記ニトライト化合物製剤は、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含むエアロゾルを生成する。一定の他の実施形態において、前記ニトライト化合物製剤は、(a)味マスキング剤をさらに含むニトライト化合物製剤、(b)ニトライト化合物濃度が少なくとも16.7mg NO2−/mLであるニトライト化合物製剤であって、味マスキング剤をさらに含むものである該製剤、(c)重量オスモル濃度が約650mOsmol/kg未満であり、ニトライト化合物がpH緩衝剤に対して150:1、200:1、250:1、300:1、400:1または500:1を超えるモル濃度で存在するニトライト化合物製剤、ならびに(d)重量オスモル濃度が約1000mOsmol/kg未満[50mg NO2−/mL]であり、ニトライト化合物がpH緩衝剤に対して150:1、200:1、250:1、300:1、400:1または500:1を超えるモル濃度で存在するニトライト化合物製剤であって、味マスキング剤をさらに含むものである該製剤、から選択され、一定の尚さらなる実施形態において、前記味マスキング剤は、サッカリンナトリウムを含む。]
[0051] もう1つの実施形態において、約4.7から約6.5のpHを有する水溶液を含む、約0.1から約5マイクロメートルの体積平均径の霧化液体粒子を提供し、前記溶液は、亜硝酸ナトリウムとクエン酸とを含み、この場合、(i)亜硝酸ナトリウムは、クエン酸に対して、約2.0×102:1から約6.9×102:1のモル比で前記溶液中に存在し、および(ii)この霧化液体粒子は、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含むエアロゾル中に存在する。もう1つの実施形態において、約4.7から約6.5のpHを有する水溶液を含む、約0.1から約5マイクロメートルの体積平均径の霧化液体粒子を提供し、前記溶液は、亜硝酸ナトリウムとサッカリンナトリウムとを含み、この場合、(i)亜硝酸ナトリウムは、サッカリンナトリウムに対して、約1.3×103:1から約4.4×103:1のモル比で前記溶液中に存在し、および(ii)該霧化液体粒子は、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含むエアロゾル中に存在する。]
[0052] 本明細書に開示するように、もう1つの実施形態は、(a)溶液に少なくとも50mg/mLの濃度で溶解した亜硝酸ナトリウムと、(b)味マスキング剤とを含む、肺送達のためのニトライト化合物製剤組成物を提供する。もう1つの実施形態において、(a)溶液に少なくとも25mg/mLの濃度で溶解した亜硝酸ナトリウムと、(b)前記水溶液に溶解した酸性賦形剤と、(c)味マスキング剤とを含む、肺送達のためのニトライト化合物製剤組成物を提供する。一定の実施形態において、前記酸性賦形剤は、亜硝酸ナトリウムに対して1:150、1:200または1:250のモル比でクエン酸を含む。一定の実施形態において、前記味マスキング剤は、サッカリンナトリウムを含む。]
[0053] 本明細書に開示するニトライト化合物製剤組成物の一定の好ましい実施形態によると、肺送達は、吸入によるものである。本発明に開示するニトライト化合物製剤の一定の好ましい実施形態によると、肺送達は、吸入によるものである。本明細書に開示する霧化液体粒子の一定の好ましい実施形態によると、前記霧化液体粒子は、吸入による肺送達のためのものである。]
[0054] 本発明の一定の好ましい実施形態に従って、(a)約7.0から約9.0のpHを有するニトライト化合物水溶液と、(b)味マスキング賦形剤とを含む、肺送達のためのニトライト化合物製剤組成物を提供し、この場合のニトライト化合物製剤は、次の特徴を有する:(i)前記ニトライト化合物は、約0.667mg NO2−/mLから約100mg NO2−/mLの濃度で存在する、(ii)ニトライト化合物製剤は、約7.0から約9.0のpHを有する、および(iii)ニトライト化合物製剤は、味マスキング賦形剤を含有し、この場合のニトライトの味マスキング剤に対するモル比は、10:1、100:1、1000:1、2000:1、4000:1、8000:1、または10000:1を超える。]
[0055] もう1つの実施形態において、約7.0から約9.0のpHおよび約100から約3600mOsmol/kgの重量オスモル濃度を有する水溶液を含む、肺送達のためのニトライト化合物製剤を提供し、前記溶液は、(i)約0.667mg NO2−/mLから約100mg NO2−/mLの濃度のニトライト化合物と、(ii)約7.0と9.0の間のpKaを有するpH緩衝剤とを含み、この場合、霧化(例えば、振動メッシュ式霧化)すると、前記ニトライト化合物製剤は、約0.1から約5マイクロメートルの体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルを形成する。さらなる実施形態において、前記ニトライト化合物製剤は、(a)味マスキング剤をさらに含むニトライト化合物製剤、(b)ニトライト化合物濃度が少なくとも16.7mg NO2−/mLであるニトライト化合物製剤であって、味マスキング剤をさらに含むものである該製剤、(c)重量オスモル濃度が約650mOsmol/kg未満であり、ニトライト化合物がpH緩衝剤に対して10:1、75:1、150:1、200:1、250:1、300:1、400:1、500:1または1000:1を超えるモル濃度で存在するニトライト化合物製剤、(d)重量オスモル濃度が約1200mOsmol/kg[50mg NO2−/mL]未満であるニトライト化合物製剤[この場合のニトライト化合物は、pH緩衝剤に対して10:1、75:1、150:1、200:1、250:1、300:1、400:1、500:1または1000:1を超えるモル濃度で存在する]、ならびに(e)重量オスモル濃度が約2400mOsmol/kg[100mg NO2−/mL]未満であるおよびニトライト化合物がpH緩衝剤に対して10:1、75:1、150:1、200:1、250:1、300:1、400:1、500:1または1000:1を超えるモル濃度で存在するニトライト化合物製剤[この場合の製剤は、味マスキング剤をさらに含む]、から選択される。一定の尚さらなる実施形態において、前記味マスキング剤は、サッカリンナトリウムを含む。一定の他の実施形態において、前記pH緩衝剤は、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(N−(2−acetamido)−2−aminoethanesulfonic acid:ACES)、N−(2−アセトアミノ)イミノ二酢酸(N−(2−ametamino)iminodiacetic acid:ADA)、N−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパン−スルホン酸(N−(1,1−dimethyl−2−hydroxyethyl)−3−amino−2−hydroxypropane−sulfonic acid:AMPSO)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(N,N−Bis(2−hydroxyethyl)−2−aminoethanesulfonic acid:BES)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(N,N−Bis(2−hydroxyethyl)glycine:BICINE)、ビス(2−ヒドロキシエチル(アミノ−トリス(ヒドロキシメチル)メタン(Bis(2−hydroxytheyl(amino−tris(hydroxymethyl)methane:BIS−TRIS)、1,3−ビス[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]プロパン(1,3−Bis[tris(hydroxymethyl)methylamino]propane:BIS−TRISプロパン)、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(2−(cyclohexylamino)ethanesulfonic acid:CHES)、3−(N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]アミノ)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(3−(N,N−Bis[2−hydroxyethyl]amino)−2−hydroxypropanesulfonic acid:DIPSO)、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N'−(3−プロパンスルホン酸)(N−(2−hydroxyethyl)piperazine−N'−(3−propanesulfonic acid):EPPS)、ジグリシン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N'−(4−ブタンスルホン酸)(N−(2−hydroxyethyl)piperazine−N'−(4−butanesulfonic acid):HEPBS)、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N'−(2−エタンスルホン酸)(N−(2−hydroxyethyl)piperazine−N'−(2−ethanesulfonic acid):HEPES)、4−モルホリンプロパンスルホン酸(4−morpholinepropanesulfonic acid:MOPS)、ベータ−ヒドロキシ−4−モルホリンプロパンスルホン酸(beta−hydroxy−4−morpholinepropanesulfonic acid:MOPSO)、ピペラジン−N,N'−ビス(2−エタンスルホン酸)(Piperazine−N,N'−bis(2−ethanesulfonic acid):PIPES)、ピペラジン−N,N'−ビス(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)(Piperazine−N,N'−bis(2−hydroxypropanesulfonic acid):POPSO)、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]−1−プロパン−スルホン酸([(2−hydroxy−1,1−bis(hydroxymethyl)ethyl)amino]−1−propane−sulfonic acid:TAPS)、2−ヒドロキシ−3−[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸(2−hydroxy−3−[tris(hydroxymethyl)methylamino]−1−propanesulfonic acid:TAPSO)、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−2−アミノエタンスルホン酸(N−[tris(hydroxymethyl)methyl]−2−aminoethanesulfonic acid:TES)、トリシン、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール[2−amino−2−(hydroxymehtyl)−1,3−propanediol]の1若しくはそれ以上から選択され、これらは、それぞれ、6.5と9.3の間で選択されたpKaを有する。]
[0056] 一定の実施形態は、約7.0から約9.0のpHを有する水溶液を含む、肺送達のためのニトライト化合物製剤も提供し、前記溶液は、亜硝酸ナトリウムとサッカリンナトリウムとを含み、この場合のサッカリンナトリウムは、(i)約0.1mMから約2.0mM、または(ii)約0.1mMから約5.0mMから選択される濃度で存在する。さらなる実施形態において、前記製剤を霧化(例えば、振動メッシュ式霧化)すると、その製剤は、約0.1から約5マイクロメートル体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルを形成する。]
[0057] 一定の実施形態において、肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤組成物を提供し、このニトライト化合物製剤組成物は、(a)7.0より高いが9.0より低い最終pHを有するニトライト化合物水溶液を含み、前記水溶液は、(i)約0.667mg NO2−/mLから約100mg NO2−/mLの濃度のニトライト化合物と、(ii)味マスキング剤と、(iii)pH緩衝剤とを含有する。一定の実施形態において、前記味マスキング剤は、サッカリンナトリウムである。一定の実施形態において、前記サッカリンナトリウムは、0.1mMから2.0mMの濃度である。一定の実施形態において、前記pH緩衝剤は、約6.5から約9.3のpKaを有し、および約7.0から約9.0のpHを維持するために十分な濃度である。一定の実施形態において、前記pH緩衝剤は、リン酸ナトリウムである。一定の実施形態において、前記リン酸ナトリウムは、約0.1mMから約5.0mMの濃度である。一定の実施形態において、前記ニトライト化合物製剤組成物を霧化(例えば、振動メッシュ式霧化)すると、その組成物は、約0.1から5.0マイクロメートルの体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルを形成する。一定の実施形態において、前記pH緩衝剤は、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、ACES、ADA、AMPSO、BES、BICINE、BIS−TRIS、BIS−TRISプロパン、CHES、DIPSO、EPPS、ジグリシン、HEPBS、HEPES、MOPS、MOPSO、PIPES、POPSO、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、TAPS、TAPSO、TES、トリシン、およびTRIZMAから選択される1若しくはそれ以上の薬剤を含む。]
[0058] 一定の実施形態において、約7.0から約9.0の最終pHおよび約100から約3600mOsmol/kgの重量オスモル濃度を有する水溶液を含む、肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤を提供し、前記溶液は、(i)約0.667mg NO2−/mLから約100mg NO2−/mLの濃度のニトライト化合物と、(ii)味マスキング剤と、(iii)6.5と9.3の間のpKaを有するpH緩衝剤とを含み、この場合、霧化(振動メッシュ式霧化)すると、このニトライト化合物製剤は、約0.1から約5.0マイクロメートルの体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルを形成する。一定の実施形態において、前記重量オスモル濃度は、(a)約300mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度;(b)約600mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度;(c)約1200mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度;(d)約2400mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度;および(e)約3000mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度から選択される。一定の実施形態において、前記味マスキング剤は、サッカリンナトリウムを含む。一定の実施形態において、前記pH緩衝剤は、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、ACES、ADA、AMPSO、BES、BICINE、BIS−TRIS、BIS−TRISプロパン、CHES、DIPSO、EPPS、ジグリシン、HEPBS、HEPES、MOPS、MOPSO、PIPES、POPSO、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、TAPS、TAPSO、TES、トリシン、およびTRIZMAの1若しくはそれ以上である。]
[0059] 一定の実施形態において、肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤を提供し、このニトライト化合物製剤は、(i)約0.667mg NO2−/mLから約100mg NO2−/mLの濃度のニトライト化合物と、(ii)味マスキング剤と、(iii)6.5と9.3の間のpKaを有するpH緩衝剤とを含み;霧化(例えば、振動メッシュ式霧化)すると、約0.1から約5.0マイクロメートルの体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルを形成する。一定の実施形態において、前記製剤は、(a)約300mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度;(b)約600mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度;(c)約1200mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度;(d)約2400mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度;および(e)約3000mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度から選択される重量オスモル濃度を有する。一定の実施形態において、前記味マスキング剤は、サッカリンナトリウムを含む。一定の実施形態において、pH緩衝剤はリン酸ナトリウムである。]
[0060] 一定の実施形態において、肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤を提供し、このニトライト化合物製剤は、(i)約7.0から約9.0の最終pHを有する水溶液と;(ii)約0.667mg NO2−/mLから約100mg NO2−/mLの濃度の亜硝酸ナトリウムと;(iii)約0.1mMから約2.0mMの濃度のサッカリンナトリウムと;(iv)約0.1mMから約5.0mMの濃度のリン酸ナトリウムとを含む。一定の実施形態において、前記製剤を霧化(例えば、振動メッシュ式霧化)すると、約0.1から約5マイクロメートルの体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルが形成される。一定の実施形態において、約0.1から5マイクロメートルの体積平均径の医薬的に許容される霧化液体粒子を提供し、この霧化液体粒子は、(1)振動メッシュ式ネブライザおよびジェット式ネブライザの少なくとも一方においてニトライト化合物製剤を霧化して、前記霧化液体粒子を含むエアロゾルを得ることを含む方法によって形成され、この場合のニトライト化合物製剤は、(i)約0.667mg NO2−/mLから約100mg NO2−/mLの濃度のニトライト化合物と、(ii)味マスキング剤と、(iii)6.5と9.3の間のpKaを有するpH緩衝剤とを含む。一定の実施形態において、前記霧化ニトライト化合物製剤は、約100から約3000mOsmol/kgの重量オスモル濃度を有する。一定の実施形態において、前記霧化ニトライト化合物製剤は、(a)約300mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度;(b)約600mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度;(c)約1200mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度;(d)約2400mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度;および(e)約3000mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度から選択される重量オスモル濃度を有する。一定の実施形態において、前記味マスキング剤は、サッカリンナトリウムを含む。一定の実施形態において、前記pH緩衝剤は、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、ACES、ADA、AMPSO、BES、BICINE、BIS−TRIS、BIS−TRISプロパン、CHES、DIPSO、EPPS、ジグリシン、HEPBS、HEPES、MOPS、MOPSO、PIPES、POPSO、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、TAPS、TAPSO、TES、トリシン、およびTRIZMAから成る群から選択される、少なくとも1つの(すなわち、1若しくはそれ以上の)薬剤である。一定の実施形態において、前記pH緩衝剤は、リン酸ナトリウムである。]
[0061] 一定の実施形態において、医薬的に許容されるニトライト化合物の治療有効量の肺床への送達をそのような送達が必要な被験者において行う方法を提供し、この方法は、(a)約7.0から約9.0のpHを有する水溶液を含むニトライト化合物製剤を霧化して、約0.1から約5マイクロメートルの体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルを形成する段階[この場合、前記水溶液は、(i)約0.667mg NO2−/mLから約100mg NO2−/mLの亜硝酸ナトリウムと、(ii)約0.1mMから約2.0mMのサッカリンナトリウムと、(iii)約0.1mMから約5.0mMのリン酸ナトリウムとを含む]と;(b)(a)のエアロゾルを吸入によって投与し、それによってニトライト化合物の治療有効量を肺床に送達する段階とを含む。一定の実施形態において、投与は、肺床へのニトライト化合物送達のピーク期間が吸入の開始後60分以内の投与を含む。一定の実施形態において、投与は、肺床へのニトライト化合物送達のピーク期間が吸入の開始後35分以内の投与を含む。一定の実施形態において、投与は、肺床へのニトライト化合物送達のピーク期間が吸入の開始後25分以内の投与を含む。一定の実施形態において、投与は、肺床へのニトライト化合物送達のピーク期間が吸入の開始後15分以内の投与を含む。一定の実施形態において、投与は、肺床へのニトライト化合物送達のピーク期間が吸入の開始後10分以内の投与を含む。一定の実施形態において、投与は、肺床へのニトライト化合物送達のピーク期間が吸入の開始後5分以内の投与を含む。]
[0062] 一定の実施形態において、肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤組成物を提供し、このニトライト化合物製剤組成物は、(a)約7.0から約9.0の最終pHを有する水溶液に少なくとも90mg/mLの濃度で溶解された亜硝酸ナトリウムと;(b)約0.1mMから約2.0mMの濃度のサッカリンナトリウムと;(c)約0.1mMから約5.0mMの濃度のリン酸ナトリウムとを含む。]
[0063] 一定の実施形態において、肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤組成物を提供し、このニトライト化合物製剤組成物は、(a)少なくとも70mg/mLの濃度で溶解された亜硝酸ナトリウムを含む溶液であって、約7.0から約9.0の最終pHを有するものである該溶液と;(b)約0.1mMから約2.0mMの濃度のサッカリンナトリウムと;(c)約0.1mMから約5.0mMの濃度のリン酸ナトリウムとを含む。]
[0064] 一定の実施形態において、肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤組成物を提供し、このニトライト化合物製剤組成物は、(a)少なくとも50mg/mLの濃度で溶解された亜硝酸ナトリウムを含む溶液であって、約7.0から約9.0の最終pHを有するものである該溶液と;(b)約0.1mMから約2.0mMの濃度のサッカリンナトリウムと;(c)約0.1mMから約5.0mMの濃度のリン酸ナトリウムとを含む。]
[0065] 一定の実施形態において、肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤組成物を提供し、このニトライト化合物製剤組成物は、(a)少なくとも30mg/mLの濃度で溶解された亜硝酸ナトリウムを含む溶液であって、約7.0から約9.0の最終pHを有するものである該溶液と;(b)約0.1mMから約2.0mMの濃度のサッカリンナトリウムと;(c)約0.1mMから約5.0mMの濃度のリン酸ナトリウムとを含む。]
[0066] 一定の実施形態において、肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤組成物を提供し、このニトライト化合物製剤組成物は、(a)少なくとも20mg/mLの濃度で溶解された亜硝酸ナトリウムを含む溶液であって、約7.0から約9.0の最終pHを有するものである該溶液と;(b)約0.1mMから約2.0mMの濃度のサッカリンナトリウムと;(c)約0.1mMから約5.0mMの濃度のリン酸ナトリウムとを含む。]
[0067] 一定の実施形態において、肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤組成物を提供し、このニトライト化合物製剤組成物は、(a)少なくとも10mg/mLの濃度で溶解された亜硝酸ナトリウムを含む溶液であって、約7.0から約9.0の最終pHを有するものである該溶液と;(b)約0.1mMから約2.0mMの濃度のサッカリンナトリウムと;(c)約0.1mMから約5.0mMの濃度のリン酸ナトリウムとを含む。]
[0068] 一定の実施形態において、肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤組成物を提供し、このニトライト化合物製剤組成物は、(a)少なくとも5mg/mLまたは少なくとも1mg/mLの濃度で溶解された亜硝酸ナトリウムを含む溶液であって、約7.0から約9.0の最終pHを有するものである該溶液と;(b)約0.1mMから約2.0mMの濃度のサッカリンナトリウムと;(c)約0.1mMから約5.0mMの濃度のリン酸ナトリウムとを含む。]
[0069] 上で説明したニトライト化合物製剤組成物のいずれかの一定のさらなる実施形態において、肺送達は、吸入によるものである。一定のさらなる実施形態において、上で説明したニトライト化合物製剤、または上で説明した霧化液体粒子は、吸入による肺送達のためのものである。]
[0070] 一定の実施形態において、肺動脈性高血圧または虚血性再潅流傷害を治療する方法を提供し、この方法は、本明細書に記載するとおりのニトライト化合物製剤組成物の、または同じく本明細書に記載するとおりのニトライト化合物製剤の治療有効用量を、その必要がある被験者に投与することを含む。一定の実施形態において、前記虚血性再潅流傷害は、冠動脈性心疾患、脳卒中または移植に関連したものである。一定の実施形態において前記肺動脈性高血圧(pulmonary arterial hypertension:PAH)は、I群PAH、II群肺高血圧(肺静脈性高血圧)、III群肺高血圧(肺疾患および/または低酸素血症に関連した肺高血圧)、IV群肺高血圧(慢性血栓性および/または塞栓性疾患に起因する肺高血圧)、または組織球症X、リンパ管腫症、および/または肺血管の収縮を引き起こす他の病状を含む、V群肺高血圧である。]
[0071] 一定の実施形態において、キットを提供し、このキットは、(a)医薬的に許容されるニトライト製剤[前記製剤は、ニトライト化合物水溶液を含み、前記水溶液は、7.0より高いが9.0より低い最終pHを有し、および(i)約0.667mg NO2−/mLから約100mg NO2−/mLの濃度のニトライト化合物と、ii)味マスキング剤と、(iii)pH緩衝剤とを含有する]と;(b)(a)のニトライト製剤をエアロゾル化することに適しているネブライザとを有する。一定の実施形態において、前記味マスキング剤は、サッカリンナトリウムである。一定の実施形態において、前記pH緩衝剤は、リン酸ナトリウムである。]
[0072] 一定の実施形態に従って、肺動脈性高血圧または虚血性再潅流傷害を治療する方法を提供し、この方法は、ネブライザを使用する吸入によって、ニトライト液体化合物製剤組成物の治療有効用量をその必要がある被験者に投与することを含み、この場合のネブライザは、体積平均5マイクロメートル未満の粒子で約0.25から90mgの亜硝酸ナトリウムを含有する吸入エアロゾルを前記被験者に送達する。もう1つの実施形態において、約1から約360mgの亜硝酸ナトリウムを収容するように液体亜硝酸ナトリウム製剤が充填されたエアロゾル化装置を提供し、この場合の装置は、5マイクロメートル未満の体積平均径の粒子で約0.25から90mgの亜硝酸ナトリウムを含有するエアロゾルを被験者に送達する。もう1つの実施形態において、約0.36から約129mgの亜硝酸ナトリウムを収容するように液体亜硝酸ナトリウム製剤が負荷されたエアロゾル化装置を提供し、この場合の装置は、5マイクロメートル未満の体積平均径の粒子で約0.25から90mgの亜硝酸ナトリウムを含有するエアロゾルを被験者に送達する。]
[0073] もう1つの実施形態において、肺動脈性高血圧または虚血性再潅流傷害を治療する方法を提供し、この方法は、ドライパウダ式吸入器を使用する吸入によって、ドライ・パウダ・ニトライト化合物製剤組成物の治療有効用量をその必要がある被験者に投与することを含み、この場合のドライパウダ式吸入器は、5マイクロメートル未満の体積平均径の粒子で約0.18mgから18mgの亜硝酸ナトリウムを含有するエアロゾルを前記被験者に送達する。もう1つの実施形態において、吸入吸気1回につき約0.35mgから約35mgの亜硝酸ナトリウムを収容するように、ドライパウダ亜硝酸ナトリウム製剤が負荷された単回または多回投与用のドライパウダ式吸入器を提供し、この場合、前記ドライパウダ式吸入器は、吸入吸気1回につき5マイクロメートル未満の平均径の粒子で約0.18から18mgの亜硝酸ナトリウムを含有するエアロゾルを前記被験者に送達する。上で説明した方法の一定のさらなる実施形態において、前記亜硝酸ナトリウムの投与は、結果として約0.1μMから約10μMのピーク血漿ニトライトをもたらす。上で説明したエアロゾル化装置またはドライパウダ式吸入器の一定のさらなる実施形態において、前記送達は、結果として約0.1μMから約10μMのピーク血漿ニトライトをもたらす。上で説明したニトライト化合物製剤組成物の一定のさらなる実施形態において、前記ニトライトは、亜硝酸ナトリウムである。上で説明したニトライト化合物製剤組成物の一定のさらなる実施形態において、肺送達は、吸入によるものである。]
発明の効果

[0074] 本発明のこれらおよび他の観点は、後続の詳細な説明および添付の図面への参照によって明らかになるであろう。本明細書において参照するおよび/または出願データシートに列挙する米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および非特許文献はすべて、それぞれが個々に組み込まれているかのごとく、それら全体がそれらの参照により本明細書に組み込まれる。必要な場合には、様々な特許、出願および出版物の概念を利用して本発明の観点を少し変えて本発明のさらなる実施形態を提供することができる。]
図面の簡単な説明

[0075] 図1は、PAPおよび一酸化窒素産生に対する吸入亜硝酸ナトリウムの効果を示すものである。単離したウサギ肺の肺動脈にカニューレを挿入し、〜12%ヘマトクリットを含有する緩衝剤で潅流した。Weissmann et al 2001によって記載されているとおりに肺を換気し、肺/動脈圧を血圧トランスデューサによってモニタした。システムが安定したら、15分間にわたって酸素含有量を3%に低下させ、その結果、PAPを上昇させることにより、低酸素操作を誘導した。その後、リン酸塩緩衝剤(phosphate buffer:PB)またはクエン酸(citric acid:CA)/リン酸塩緩衝剤のいずれかで(両方とも、pH5.5で、1群あたりn=5/6)調製した亜硝酸ナトリウムの作用を、第二低酸素攻撃中に霧化によって施与した。図1、左パネル:両方の緩衝系における亜硝酸ナトリウムが、薬物低酸素攻撃前と比較してPAPを有意に(50%を超えて)低下させた(p<0.05)。図1、右パネル:呼気一酸化窒素は、対照と比較して両方の亜硝酸ナトリウム調製品によって有意に増加されたが、クエン酸中で調製した亜硝酸ナトリウムのほうが、リン酸塩緩衝剤のみの中で調製したものより有意に多くの一酸化窒素を生じさせた(p<0.05)。*は、対照からの有意差を示し、**は、リン酸塩緩衝剤中のニトライトとの有意な差を示す。
図2は、PAPに対する吸入亜硝酸ナトリウムの持続作用を示すものである。単離したウサギ肺の肺動脈にカニューレを挿入し、図1に関して説明したように潅流した。システムが安定した後、15分間にわたって酸素含有量を3%に低下させ、その結果、PAPを上昇させることにより、低酸素操作を誘導した。その後、リン酸塩緩衝剤中で調製した亜硝酸ナトリウムの作用を、第三低酸素攻撃中に噴霧によって施与した。投与前に測定したものと同じレベルの低酸素誘導PAPに戻る時間の関数として持続作用を測定する。半減期を〜10分として計算し、持続効果は、≧60分となる。
漸増濃度のシルデナフィル(Sildenafil)の存在下での単離したラット大動脈輪の用量依存性弛緩を示すものである。フェニレフリンによって誘導した大動脈輪の予備収縮を薬物溶液が減少させるかどうかの、単離したラット大動脈輪モデル試験。簡単に言うと、ラット大動脈を切除し、脂肪および付着組織を洗浄した。その後、血管を個々の輪セグメント(ring segments)(2〜3mm幅)に切断し、力−変位トランスデューサから組織浴に懸濁させた。次の組成(mM)の重炭酸塩緩衝Krebs−Henseleit(KH)溶液の浴に輪セグメントを浸した:NaCl 118;KCl 4.6;NaHCO3 27.2;KH2PO4 1.2;MgSO4 1.2;CaCl2 1.75;Na2EDTA0.03、およびグルコース11.1。2グラムの受動的負荷をすべての輪セグメントに適用し、これらの実験全体にわたってこのレベルを維持した。各実験の開始時、インドメタシンで処理した輪セグメントをKCl(70mM)で脱分極させて、血管の最大収縮容量を決定した。その後、輪を入念に洗浄し、平衡させた。後続の実験のために、血管をフェニレフリン(phenylephrine:PE)(3×10−8〜10−7M)で最大下収縮させた(KCl応答の50%)。
漸増濃度の亜硝酸ナトリウム(黒丸)の存在下での単離されたラット大動脈輪の用量依存性弛緩および(図3において測定した有効用量の〜50%で)シルデナフィルの存在下での亜硝酸ナトリウムの追加の効果を示すものである。簡単に言うと、亜硝酸ナトリウム相乗作用実験のために、50nM シルデナフィルを選択した。これは、フェニレフリンによって誘導された大動脈収縮のおよそ50%減少を可能にしたからである。亜硝酸ナトリウム相乗作用測定のために、大動脈輪を、先ず、50nMのシルデナフィルに曝露して、大動脈輪収縮を部分的に減少させた。平衡させた後、漸増量の亜硝酸ナトリウム(500nM〜50μM)を緩衝剤に添加し、それぞれの添加後、張力測定値を記録した。] 図1 図2 図3
[0076] 本発明は、本明細書に開示するような幾つかの実施形態において、治療に有用な一酸化窒素(NO)およびまたはニトライトレベルの迅速な効用と持続的な効用の両方を可能にする様式で、亜硝酸アニオンの局所送達に関して過去に例のない利点を1つ若しくはそれ以上の所望の組織にもたらす、ニトライト化合物製剤のための組成物および方法を提供する。]
[0077] 一定の好ましい実施形態において、およびさらに詳細に下で説明するように、前記ニトライト化合物製剤の送達は、哺乳動物被験者における呼吸器管組織への、例えば、ヒト患者における呼吸気道経由で肺床(例えば、肺胞毛細血管床)への送達である。一定の特に好ましい実施形態によると、肺床への送達は、本明細書に記載するようなニトライト化合物製剤の吸入療法によって達成される。]
[0078] これらおよび関連実施形態は、投与すると直ちに所望の組織が治療に有効なNOおよびまたはニトライトを利用できるようにし、その上、同じ投与事象で驚くほど持続する継続期間ももたらし、この間に、局所送達された亜硝酸アニオンを生体内利用可能なNOに変換することにより治療効果を延長し、治療的および/または予防的恩恵を有益に提供するであろう。]
[0079] 本明細書に開示する組成物および方法は、多種多様な組織へのニトライト化合物およびその生成物、NO、のそのような迅速なおよび持続的な局所送達に備えるものである。例えば、脳卒中、心臓発作または他の心血管疾患、移植(例えば、肺、肝臓、腎臓、心臓など)または血管移植片および/または迅速なおよび持続的な生体内的利用可能なNO療法が指示され得る他の状態に関するものであり得るような、虚血−再潅流傷害および肺動脈性高血圧および他の状態をはじめとする、非常に多数の臨床的に有意な状態の治療のための実施形態が考えられる。]
[0080] 従って、様々な実施形態は、エアロゾル投与を用いる、および罹患組織への高濃度、徐放性活性薬物送達の直接曝露による、ヒトおよび/または獣医学的被験者における肺高血圧の予防および治療における最適な予防および治療活性のための組成物および方法を提供する。具体的には、および一定の好ましい実施形態において、亜硝酸アニオン(NO2−)または任意の亜硝酸塩、例えば亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム若しくは亜硝酸マグネシウムを含む、ニトライト化合物の濃縮用量を送達する。]
[0081] 理論により拘束されることを望まないが、本明細書においてより詳細に説明するようなこれらおよび関連実施形態のうちの幾つかによると、ニトライト化合物(例えば、亜硝酸アニオン(NO2−)または任意の亜硝酸塩、例えば亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム若しくは亜硝酸マグネシウム)は、インビボでの継続的で持続的なNO生成に備える手法で、および実質的な量のNOが放出ガスとしてその製剤から急速に喪失されることとならない製剤によってニトライト化合物を徐々に還元して、生体内利用可能な一酸化窒素を生じさせることができるように選択される成分を有するニトライト化合物製剤で提供される。その代わりに、本明細書に開示する実施形態は、ニトライト化合物濃度およびpHの溶液パラメータの調整により、NOがゆっくりと生成され溶液に溶解したままであるニトライト化合物製剤を得ることができるという発見に由来する。加えて、適切なニトライト製剤成分の選択による、本明細書において示すような、pHのおよび製剤中の全溶質濃度の調整は、この製剤のインビボ投与後に生体内利用可能なNOの望ましい徐放をもたらす結果となると考えられる。さらに、ニトライトそれ自体が、本明細書に記載する治療効果の一部またはすべてに、それ自体、寄与し得る。]
[0082] さらに、非限定的な理論によると、気相環境に気体NOを喪失するのではなく液体に溶解した溶質としてNOを有利に保持することにより、本発明に開示する一定のニトライト化合物製剤は、より高いNO濃度の肺床への吸入送達を可能にし、このより高いNO濃度が、相応に延長した吸入投与事象を必要とすることなく、以前に可能と考えられていた期間より長期にわたって肺床で維持される。この吸入送達は、ニトライトからNOへの高い変換レベルによって生ずるNOガスバブルがその中に存在するニトライト溶液を送達することができない振動メッシュ式ネブライザなどの、制御された液体粒径を有するエアロゾルミストを発生させるネブライザ装置の使用を含むこともできる。従って、製剤水溶液によって溶解状態で維持することができるものより多くのNOガスをその成分が発生させない、本明細書において提供するような、ニトライト化合物製剤の選択から有意な恩恵が得られることをここで初めて開示する。]
[0083] 一定の関連実施形態によると、ニトライト化合物製剤中の溶解している溶質の総量の調整によって、そのような製剤の水溶液から形成される霧化液体粒子の性質をはじめとする治療に有益な特性を有する水性ニトライト化合物製剤が結果的に得られると、非限定的理論により考えられる。加えて、および本明細書に開示するように、ニトライト化合物濃度、pHおよび全溶質濃度に関するものなどの本明細書において提供するパラメータの中で、全溶質濃度範囲の上部またはその付近での製剤の許容性は、本明細書において提供するような味マスキング剤を含めることによって増すことができる。]
[0084] 一定のそのような実施形態において、例えば、少なくとも25mg/mL若しくは少なくとも50mg/mLの濃度で水溶液(約4.7から約6.5のpH)に溶解した亜硝酸ナトリウム、または約100から3600mOsmol/kgの全重量オスモル濃度を有する水溶液中、約14.5mM亜硝酸アニオンから2.174M 亜硝酸アニオンの濃度でのニトライト化合物、を含むニトライト化合物製剤は、それによって吸入投与が許容可能になるように(すなわち、そうしなければ有効な治療的投与を妨げるであろう望ましくない味または刺激特性を克服するために)味マスキング剤をさらに含むことがある。従って、および本明細書においてより詳細に説明するように、(i)溶液pH、(ii)ニトライト化合物の酸性賦形剤またはpH緩衝剤に対するモル比、(iii)NOが溶解状態で維持され、目に見えるバブルとして発生しないような、NOへの亜硝酸アニオン還元率、(iv)亜硝酸アニオンの味マスキング剤に対するモル比、および(v)製剤の全重量オスモル濃度のうちの1つ以上に関しての調合条件の調整は、一定の治療的および他の利点をもたらす。]
[0085] 上で述べたように、一定の好ましい実施形態において、ニトライト化合物は、亜硝酸アニオン(NO2−)またはその任意の亜硝酸塩、例えば亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム若しくは亜硝酸マグネシウムなどを含む。他の実施形態は、他のニトライト供与性または一酸化窒素供与性化合物から選択される薬剤を考えるものである。非限定的な例として、ニトライト(NO2−)、ニトラート(NO3−)、亜硝酸(HNO2)、二酸化窒素(NO2ガス)、ニトライト供与性化合物、一酸化窒素供与性化合物、一酸化窒素(NOガス)それ自体、またはそれらの塩は、プロドラッグ、今般開示する製剤および組成物中の徐放性または活性化合物として役割を果たすことができ、ならびに徐放性または活性薬物の最大濃度を生じさせるために十分な(例えば、発生NOガスとしてそこで形成されるNOの投与前のニトライト化合物製剤による目に見えるほどの環境への喪失がなく、その喪失が、その調製の最初の15分以内にニトライト化合物製剤中に存在する全NOの約40%、30%、20%、15%、10%、5%、3%、2%または1%未満であり得る)条件下でおよび時間にわたって、呼吸器管(肺床を含む)ならびに他の非経口および非経鼻局所要素(これらに限定されるものではないが、皮膚、直腸、膣、尿道、膀胱、眼および耳を含む)に送達することができる。本明細書に開示するような、一定の特に好ましい実施形態は、下気道への、言い換えると肺または肺要素(例えば、呼吸細気管支、肺胞管および/または肺胞)への、ニトライト化合物の、経口および/または経鼻吸入による、投与、例えば、そのような「肺送達」によって行って、肺血管構造へのニトライト化合物のそのような肺送達後に肺要素におよび/または循環系を経由して到達することができる他の組織および臓器に、ニトライト化合物の有効量を提供することができる投与に関する。]
[0086] 異なる薬品が、用量、形態、濃度および送達プロフィールに依存して様々な効力を有することは公知であるため、一定の今般開示する実施形態は、予防的であるまたは治療的に有意である抗高血圧、血管拡張、動脈拡張および/または血管再構築結果を生じさせる特定の調合および送達パラメータを提供する。従って、これらのおよび関連実施形態は、好ましくは亜硝酸アニオンまたはその塩、例えば亜硝酸ナトリウム、などのニトライト化合物を含む。しかし、上で述べたように、本発明は、そのように限定されると解釈されず、特に好ましい実施形態によると、亜硝酸アニオンまたはその塩、例えば亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム若しくは亜硝酸マグネシウム、に関するものであり得る。他の考えられる実施形態は、本明細書に開示するものなどの、ニトライト供与性または一酸化窒素供与性化合物から選択される別の薬物に関するものであり得る。]
[0087] 一定の実施形態は、所望の抗高血圧、血管拡張、動脈拡張または血管再構築恩恵をもたらす有効濃度を供給するために、例えば、肺高血圧を有する患者を治療するためにおよび/または有害な血管再構築を予防するために、ミスト、気液懸濁若しくは液体霧化、ドライパウダおよび/または定量エアロゾル投与できるように調合された、本明細書において提供するようなニトライト化合物(例えば、亜硝酸アニオンまたはその亜硝酸塩、例えば亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム若しくは亜硝酸マグネシウム)、または代替として、ニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与性化合物から選択される薬剤を考えるものである。これらのおよび関連用途は、罹病肺組織および付随血管構造の虚血環境での使用についても考えられる。非限定的な理論によると、関連疾患に付随する低酸素環境は、亜硝酸アニオンまたは亜硝酸塩(またはニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与性化合物)の一酸化窒素への還元を増進させるであろう。本明細書に記載するニトライト化合物製剤および方法は、市販の吸入装置と共に、またはエアロゾル治療製品投与用の他の装置と共に用いることができる。]
[0088] 一定の実施形態は、例えば心筋梗塞、冠動脈カテーテル留置または心臓移植に随伴し得るような、虚血エピソード後または中の心臓の再潅流中にエアロゾル投与(例えば、吸入)を用いる、ヒトおよび/または獣医学的被験者における心臓の虚血性再潅流傷害の予防および治療における最適な予防および治療活性のための組成物および方法を提供する。一部の実施形態は、最大NOレベルを左心房の直ぐ上流の肺血管構造に直接、および従って、動脈−心室内腔間曝露で冠動脈系に提供する、徐放性NO源としてのニトライト化合物(例えば、亜硝酸アニオンまたはその塩)の直接的な高濃度の送達に備えるものである。]
[0089] 異なる薬品が、用量、形態、濃度および送達プロフィールに依存して様々な効力を有することは公知であるため、今般開示する実施形態は、急性虚血性再潅流傷害に対する、および心筋梗塞または他の心臓虚血事象、例えば冠動脈カテーテル留置中に引き起こされる事象後の虚血性再潅流傷害に対する保護を生じさせる、特定の調剤および送達パラメータを提供する。]
[0090] 一定の他の実施形態は、虚血性心筋再潅流傷害を治療および/または予防するために左心房および冠動脈に入る望ましい血液レベルをもたらす有効な濃度を供給するために、ミスト、気液懸濁若しくは液体霧化、ドライパウダおよび/または定量エアロゾル投与できるように調合された、ニトライト化合物(例えば、亜硝酸アニオン若しくはその亜硝酸塩)、または代替として、ニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与性化合物から選択される薬剤を考えるものである。これらのおよび関連実施形態は、罹病心筋層および付随血管構造の、またはカテーテル留置などのイベント中に操作される冠動脈系の、虚血環境での使用について考えるものである。非限定的な理論によると、関連疾患に付随する低酸素環境は、亜硝酸アニオンまたは亜硝酸塩(またはニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与性化合物)の一酸化窒素への還元を増進させるであろう。本明細書に記載するニトライト化合物製剤および方法は、市販の吸入装置と共に、またはエアロゾル治療製品投与用の他の装置と共に用いることができる。]
[0091] 様々な他の実施形態は、非限定的な例として梗塞または頚動脈カテーテル留置などの虚血性エピソード後または中の脳の再潅流中にエアロゾル投与を用いる、ヒトおよび/または獣医学的被験者における脳の虚血性再潅流傷害の予防および治療における最適な予防および治療活性のための組成物および方法を提供する。そのような曝露は、好ましい実施形態に従って本明細書において提供するようなニトライト化合物(例えば、硝酸アニオンまたはその塩、例えば亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム若しくは亜硝酸マグネシウム)の、または他の実施形態では他のニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与性化合物から選択される薬剤の、直接的な高濃度の送達に備えるものである。]
[0092] 非限定的な例として、好ましい実施形態において、ニトライト化合物、例えば亜硝酸アニオン(NO2−)またはその塩(例えば、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸マグネシウム)、あるいは代替的に、他の異なる実施形態において、ニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与性化合物、例えば、ニトラート(NO3−)若しくはその塩、亜硝酸(HNO2)、二酸化窒素(NO2ガス)、一酸化窒素(NOガス)それ自体、または別のニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与性化合物は、徐放性または活性物質としての役割を果たすことができ、および徐放性または活性薬物の最大濃度を生じさせるように、左心房の直ぐ上流の肺血管構造、左心室動脈系および従って頚動脈系に直接送達することができる。異なる薬品が、用量、形態、濃度および送達プロフィールに依存して様々な効力を有することは公知であるため、本明細書に記載する実施形態は、急性虚血性再潅流傷害に対するおよび脳卒中または他の脳虚血事象後のI/R傷害に対する保護をもたらす特定の調合および送達パラメータを提供する。]
[0093] 好ましい実施形態において本明細書において提供するニトライト化合物(例えば、亜硝酸アニオン(NO2−)若しくはその塩)、または異なる実施形態における他のニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与性化合物は、望ましい肺濃度を提供するために適切な用量で液体霧化、ドライパウダおよび/または定量エアロゾル投与するために調合することができる。そのような濃度から、左心房におけるおよび頚動脈に入るニトライト化合物(または他の薬剤)の十分な血液レベルを獲得することができ、脳卒中若しくは梗塞の結果として起こり得るまたは頚動脈カテーテル留置の結果として起こり得るような、脳における虚血性再潅流傷害を有益に治療および/または予防することもできる。これらのおよび関連実施形態によると、随伴する疾病によって誘導される低酸素環境は、一酸化窒素を生成するニトライト化合物の(またはニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与性化合物の)還元を増進するであろうと非限定的な理論により予測される。本明細書に記載するニトライト化合物製剤および方法は、市販の吸入装置と共に、またはエアロゾル治療製品投与用の他の装置と共に用いることができる。]
[0094] 他の実施形態に従って、ヒトおよび/または獣医学的被験者における肺移植前、中または後の虚血性再潅流傷害の予防および治療における最適な予防および治療活性のための組成物および方法を提供する。そのような実施形態について、好ましい実施形態において本明細書において提供するようなニトライト化合物(例えば、亜硝酸アニオンまたはその塩、例えば亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸マグネシウム)または他のニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与性化合物は、エアロゾル投与、または移植前若しくは中のドナー肺の潅流および/または洗浄を用いて、導入する。そのような曝露は、ニトラート(NO3−)若しくはその塩、亜硝酸(HNO2)、二酸化窒素(NO2ガス)または他の化合物から選択することができるような、前記ニトライト化合物または他のニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与性化合物の直接的な高濃度の送達に備えるものである。前記ニトライト化合物または他のニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与性化合物の最大濃度によって、肺および肺血管構造の上皮表面に徐放性および/または活性薬物が直接提供される。]
[0095] 異なる薬品が、用量、形態、濃度および送達プロフィールに依存して様々な効力を有することは公知であるため、本明細書に記載する実施形態は、急性的には肺移植前または中、および肺移植後の虚血性再潅流傷害に対する保護をもたらす特定の調剤および送達パラメータを提供する。好ましい実施形態において本明細書において提供するようなニトライト化合物、または他のニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与性化合物(例えば、本明細書に開示するもの)は、肺移植前および中の虚血性再潅流傷害を有益に治療および/または予防することができるような、肺上皮表面から肺血管構造に直接吸収されるために十分である望ましい肺濃度を提供するために適する用量で、液体霧化、ドライパウダおよび/または定量エアロゾル投与するために調合することができる。これらおよび関連実施形態によると、(移植プロセス中の)ドナー肺の虚血環境は、一酸化窒素を生成するニトライト化合物(例えば、亜硝酸アニオン若しくはその塩)のまたはニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与性化合物の還元を増進するであろうという非限定的な理論により予測される。本明細書に記載するニトライト化合物製剤および方法は、市販の吸入装置と共に、またはエアロゾル治療製品投与用の他の装置と共に用いることができる。]
[0096] 一定の他の実施形態は、移植前または中の潅流および/またはドナー心臓の洗浄を用いる、ヒトおよび/または獣医学的被験者における心臓移植前または中の虚血性再潅流傷害の予防および治療における最適な予防および治療活性のための組成物および方法を提供する。そのような曝露は、好ましい実施形態に従って本明細書において提供するようなニトライト化合物(例えば、亜硝酸アニオンまたはその塩、例えば亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム若しくは亜硝酸マグネシウム)の、または他の実施形態では、非限定的な例としてニトライト、ニトラート(NO3−)およびその塩、亜硝酸(HNO2)、二酸化窒素(NO2ガス)、ニトライト供与性化合物、一酸化窒素供与性化合物ならびに一酸化窒素(NOガス)それ自体を含む、他のニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与性化合物から選択される薬剤の、直接的な高濃度の送達に備えるものである。これらの化合物は、徐放性または活性物質としての役割を果たすことができ、および肺および冠血管構造の上皮に対して徐放性または活性薬物の最大濃度を直接生じさせると考えることができる。異なる薬品が、用量、形態、濃度および送達プロフィールに依存して様々な効力を有することは公知であるため、本明細書に記載する実施形態は、心臓移植前または中の虚血性再潅流傷害に対する保護をもたらす特定の調合および送達パラメータを提供する。]
[0097] 好ましい実施形態に従って本明細書において提供するようなニトライト化合物(例えば、亜硝酸アニオンおよびその塩)、または代替的に、ニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与剤は、心臓移植前および中の虚血性再潅流傷害を治療および/または予防するために十分なそのニトライト化合物または他の薬剤の心筋血管または組織レベルを達成するのために望ましい濃度で、液体潅流用にまたはドナー心臓の洗浄用に調合することができる。これらのおよび関連実施形態によると、ドナー心臓内の虚血によって誘導される低酸素環境は、一酸化窒素を生成する亜硝酸アニオン、亜硝酸塩またはニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与性化合物の還元を増進するであろうと非限定的な理論により予測される。本明細書に記載するこれらのニトライト化合物製剤および方法は、市販の吸入装置と共に、またはエアロゾル治療製品投与用の他の装置と共に用いることができる。]
[0098] 一定の他の実施形態は、移植前または中のエアロゾル投与および/または潅流および/またはドナー腎臓の洗浄を用いる、ヒトおよび/または獣医学的被験者における腎臓移植前、中または後の虚血性再潅流傷害の予防および治療における最適な予防および治療活性のための組成物および方法を提供する。そのような曝露は、好ましい実施形態に従って本明細書において提供するようなニトライト化合物(例えば、亜硝酸アニオンまたはその塩、例えば亜硝酸ナトリウム、亜硝酸マグネシウム、亜硝酸カリウムなど)の、または他の実施形態では、他のニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与性化合物から選択される薬剤の、直接的な高濃度の送達に備えるものである。非限定的な例として、亜硝酸ナトリウムなどのニトライト化合物、あるいは代替的に、ニトラート若しくはその塩、亜硝酸、二酸化窒素(NO2ガス)または一酸化窒素(NOガス)それ自体が、徐放性または活性物質としての役割を果たす場合もある。これらの化合物は、腎臓移植中および後の虚血性再潅流傷害を治療または予防するために十分な血中濃度を達成するために、徐放性または活性薬物の最大濃度を直接生じさせるように血管構造に送達することができる。]
[0099] 異なる薬品が、用量、形態、濃度および送達プロフィールに依存して様々な効力を有することは公知であるため、本明細書に記載する実施形態は、腎臓移植中または後の虚血性再潅流傷害に対する保護をもたらす特定の調合および送達パラメータを提供する。好ましい実施形態において本明細書において提供するようなニトライト化合物、あるいは代替的に、本明細書に開示する他のニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与剤は、腎臓移植中および後の虚血性再潅流傷害を有益に治療および/または予防することができるような、左心房に入る血液中でそのニトライト化合物または他の薬剤の十分な血中濃度を達成するために望ましい肺濃度を提供する液体霧化、ドライパウダおよび/または計量エアロゾル投与のために調合することができる。これらのおよび関連実施形態によると、(移植プロセス中の)ドナー腎臓の虚血によって誘導される低酸素環境は、(ニトライト化合物の場合)亜硝酸アニオン、亜硝酸塩、または(代替的に、本明細書に開示する他の薬剤の場合)ニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与性化合物の一酸化窒素への還元を増進するであろうと非限定的な理論により予測される。本明細書に記載するニトライト化合物製剤および方法は、市販の吸入装置と共に、またはエアロゾル治療製品投与用の他の装置と共に用いることができる。]
[0100] 一定の他の実施形態は、ヒトおよび/または獣医学的被験者における肝臓移植前、中または後の虚血性再潅流傷害の予防および治療における最適な予防および/または治療活性のために組成物および方法を提供する。そのような実施形態について、好ましい実施形態において本明細書において提供するようなニトライト化合物(例えば、亜硝酸アニオンまたはその塩、例えば亜硝酸ナトリウム)または、代替的におよび他の実施形態において、他のニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与剤は、エアロゾル投与または潅流および/またはドナー肝臓の洗浄を用いて移植前または後に導入される。そのような曝露は、(好ましい実施形態では)ニトライト化合物または(他の実施形態では)他のニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与剤の直接的な高濃度の送達に備えるものであり、この化合物または薬剤は、徐放性または活性物質としての役割を果たすことができ、および肝臓移植中または後の虚血性再潅流傷害を治療または予防するために十分な血中濃度を達成するために、徐放性または活性薬物の最大濃度を生じさせるように血管構造に直接送達することができる。異なる薬品が、用量、形態、濃度および送達プロフィールに依存して様々な効力を有することは公知であるため、本明細書に記載する実施形態は、肝臓移植中または後の虚血性再潅流傷害に対する保護をもたらす特定の調合および送達パラメータを提供する。好ましい実施形態において本明細書において提供するようなニトライト化合物(例えば、亜硝酸アニオンおよびその塩、例えば亜硝酸ナトリウム)または他の実施形態における他のニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与剤は、肝臓移植中または後の虚血性再潅流傷害を有益に治療および/または予防することができるように、左心房に入るとそのニトライト化合物または他の薬剤の十分な血中濃度が達成される望ましい肺濃度を提供するために適する用量で、液体霧化、ドライパウダおよび/または計量エアロゾル投与のために調合することができる。これらのおよび関連実施形態によると、(肝臓移植プロセス中の)ドナー肝臓において虚血によって誘導される低酸素環境は、一酸化窒素を生成する亜硝酸アニオン、亜硝酸塩またはニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与性化合物の還元を増進するであろうと非限定的な理論により予測される。本明細書に記載するニトライト化合物製剤および方法は、市販の吸入装置と共に、またはエアロゾル治療製品投与用の他の装置と共に用いることができる。]
[0101] 一定の他の実施形態は、移植前または中に臓器のフラッシュ潅流および/または再潅流を用いる、ヒトおよび/または獣医学的被験者における臓器(非限定的な例として、肝臓、肺、腎臓、心臓)移植前または中の虚血性再潅流傷害の予防の際の最適な予防活性のための組成物および方法を提供する。そのような実施形態について、好ましい実施形態において本明細書において提供するようなニトライト化合物(例えば、亜硝酸アニオンまたはその塩、例えば亜硝酸ナトリウム)または代替実施形態における本明細書に開示するものなどのニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与剤は、徐放性または活性物質として作用することができ、これを、望ましい最大薬物濃度で、移植臓器の上皮表面または血管構造に直接送達する、またはそのように直接送達するのではなく、望ましい薬物濃度を達成するために滴定することができる。]
[0102] 異なる薬品が、用量、形態、濃度および送達プロフィールに依存して様々な効力を有することは公知であるため、これらのおよび関連実施形態は、移植前または中の虚血性再潅流傷害に対する保護をもたらす特定の調合および送達パラメータを提供する。本明細書における好ましい実施形態において提供するようなニトライト化合物、または他のニトライト供与性若しくはNO供与性化合物は、臓器移植前および中の虚血性再潅流傷害を減少する(例えば、実質的に有意な手法で、例えば適切な対照治療と比較して、低減する)または予防するために望ましい濃度を達成するように、液体またはドライパウダ(吸入)投与後の洗浄、潅流または再潅流のために調合することができる。]
[0103] さらなる他の実施形態において、エアロゾル投与によっておよび罹患組織への高薬物濃度の直接的な送達によって達成することができる最適ニトライト化合物抗微生物活性(またはニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与剤抗微生物活性)を特徴とする、ヒトおよび/または獣医学的被験者における呼吸器管感染症(上部呼吸器管、呼吸器管気道、および肺区画の感染症を含む)の治療のための組成物および方法を提供する。一定の好ましい実施形態では、本明細書において提供するようなニトライト化合物(例えば、亜硝酸アニオンまたはその塩、例えば亜硝酸ナトリウム)を送達し、および一定の他の実施形態では、本明細書に開示するような別のニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与剤を送達することができる。前記ニトライト化合物、またはニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与性化合物は、活性薬物の最大濃度を生じさせる(例えば、発生NOガスとしてそこで形成されるNOの、投与前の、ニトライト化合物製剤による目に見えるほどの環境への喪失がなく、その喪失が、その調製の最初の15分以内にニトライト化合物製剤中に存在する全NOの約40%、30%、20%、15%、10%、5%、3%、2%または1%未満であり得る)ように、本明細書に記載する条件下でおよび十分な時間、呼吸区画、肺区画、および/または他の非経口局所区画(これらに限定されるものではないが、皮膚、直腸、膣、尿道、膀胱、眼および耳を含む)に送達すると、徐放性または活性物質としての役割を果たすことができる。]
[0104] 異なる薬品(例えば、本明細書において提供するようなニトライト化合物、または本明細書に記載するような他のニトライト供与性若しくはNO供与剤)が、用量、形態、濃度および送達プロフィールに依存して異なる抗微生物効果を生じさせることは公知であるため、これらの実施形態は、例えば以前に実現されたものより高い濃度でおよび長い期間の継続時間にわたって生体内利用可能なNOを提供することによって、治療的に有意な抗微生物結果をもたらす、特定の調合および送達パラメータに関する。本明細書における好ましい実施形態において提供するようなニトライト化合物、または他のニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与性化合物は、異なる細菌感染症を有する患者を治療するための、当業者によく知られているような抗微生物基準(例えば、既存の常例的方法論に従って判定することができるような、組織部位の微生物の感染、生存度、コロニー形成または成長に対する検出可能な効果)に従って望ましい濃度を達成する用量での、液体霧化、ドライパウダおよび/または計量エアロゾル投与のために調合することができる。本明細書に記載するニトライト化合物製剤および方法(ならびに他のニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与剤の製剤および方法)は、市販の吸入装置と共に、またはエアロゾル治療製品投与用の他の装置と共に用いることができる。]
[0105] 上部呼吸器管(例えば、鼻、洞および咽頭区画)、呼吸気道(例えば、咽頭、気管および気管支区画)および肺または肺区画(例えば、呼吸細気管支、肺胞管、肺胞)を含む呼吸器管の1若しくはそれ以上の望ましい領域への直接的エアロゾル投与を、一定の好ましいでは、鼻腔内または経口吸入(例えば、「肺送達」)によって行って、呼吸器病変部位への滴定した高い濃度の薬物、プロドラッグ活性または徐放性送達を達成することができる。鼻腔内または経口吸入によるものなどのエアロゾル投与は、肺血管構造を通して他の組織または臓器、非限定的な例として心臓、脳、肝臓および/または腎臓、に達するような薬物、プロドラッグ活性または徐放性送達を提供するために(例えば、さらに肺送達に)も用いることができ、呼吸以外の薬物送達経路に付随する呼吸器外毒性のリスクが低減される。従って、特定のニトライト化合物(例えば、亜硝酸アニオンまたはその塩、例えば亜硝酸ナトリウム)の、または別のニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与性化合物治療用組成物の、効能は、調合および送達パラメータに依存して様々なであり得るため、本明細書に記載する一定の実施形態は、認知されている活性薬物化合物のための組成物の再調合および新規送達方法を反映している。他の実施形態は、局所病変および/または感染症を考えるものであり、これらの局所病変および/または感染症も、本明細書に記載する発見からの、例えば、皮膚、直腸、膣、尿道、膀胱、眼および/または耳への本明細書において提供するようなニトライト化合物製剤の、あるいは他のまたはニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与性化合物の直接曝露による、恩恵を受けることができる。]
[0106] 治療的投与のための任意の組成物(例えば、本明細書に記載するニトライト化合物製剤)を特性づけすることができる臨床および薬理学的基準に加えて、当業者は、所与の薬物組成物に特有の多数の物理化学的因子を知っている。これらとしては、水溶液、粘度、分配係数(LogP)、様々な製剤の予測安定性、重量オスモル濃度、表面張力、pH、pKa、pKb、溶解速度、痰透過性、痰結合/不活性化、味、咽頭刺激性および急性耐性が挙げられるが、これらに限定されない。]
[0107] 特定の製品形態を選択する際に考慮するたの因子としては、その製剤(例えばニトライト化合物製剤)の物理化学、その製剤を使用することとなる所与の疾病徴候、および患者コンプライアンスが挙げられる。非限定的な例として、(例えば、液体粒子の霧化懸濁物などのミスとの経口および/または鼻腔内吸入による)エアロゾル送達に望ましいニトライト化合物製剤、および/またはエールゾル送達に望ましいニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与性化合物製剤は、包装する、および定量吸入装置などの吸入装置を使用して投与するために、単純液体、例えば水溶液(例えば、非内包可溶性賦形剤/塩を伴う可溶性ニトライト化合物)、複合液体、例えば水溶液(脂質、リポソーム、シクロデキストリン、マイクロカプセル化剤およびエマルジョンなどの可溶性賦形剤で内包または複合体化されているニトライト化合物)、複合懸濁物(単独の低溶解度の安定なナノ懸濁物としての、共結晶/共沈複合体としての、および/または固体−脂質ナノ粒子などの低溶解度脂質との混合物としてのニトライト化合物)、ドライパウダ(例えば、単独での、または低溶解度賦形剤/塩若しくは易溶解性ブレンド、例えばラクトース、との共結晶/共沈/霧化乾燥複合体若しくは混合物での、ドライ・パウダ・ニトライト化合物)、または有機溶剤溶性若しくは有機懸濁溶液の形態で提供することができる。]
[0108] 一定の好ましい実施形態に従って本明細書において提供するような特定のニトライト化合物製剤またはニトライト化合物製剤組成物の選択は、所望される製品包装による影響を受ける。包装の選択の際に考慮される因子としては、例えば、その製剤が凍結乾燥に付されることがあろうと無かろうと、固有の製品安定性;装置選択(例えば、液体ネブライザ、ドライパウダ式ネブライザ、定量吸入器);および/または包装形態(例えば、液体としてバイアルに供給されようと、装置への挿入前にまたは挿入し次第溶解される凍結乾燥物として装置に供給されようと、単純液体または複合液体製剤;液体としてバイアルに供給されようと、凍結乾燥物としてバイアルに供給されようと、およびその装置に挿入される前に若しくは挿入し次第溶解される可溶性塩/賦形剤成分、または液体および固体成分の別包装を伴うまたは伴わない、複合懸濁製剤;バイアル、カプセルまたはブリスタパック内のドライパウダ製剤;ならびに易溶性若しくは低溶解度固体剤として個別の容器に単独でまたは易溶性若しくは低溶解度固体剤と共に包装される他の製剤)が挙げられる。]
[0109] 送達装置への挿入前にまたは挿入し次第混合されるような方法で、1若しくはそれ以上の個別に包装された薬剤を製造することができる。従って、一定の好ましい実施形態は、肺送達のためのニトライト化合物製剤組成物に関し、このニトライト化合物製剤組成物は、7.0より高いpHを有するニトライト化合物水溶液として提供される第一の容器と、酸性賦形剤水溶液として提供される第二の溶液とを含み、この場合、例えば霧化ミストなどのエアロゾルとして、経口吸入によりまたは鼻腔内吸入により投与する前に、第一の溶液と第二の溶液を混合してニトライト化合物製剤を形成する。一定のそのような実施形態によると、第一の溶液と第二の溶液を混合してニトライト化合物製剤を形成すると、前記ニトライト化合物は、約14.5mM(0.667mg/mL)から約2.174M(100mg/mL)硝酸アニオンの濃度で存在し、前記ニトライト化合物製剤は、約4.7から約6.5のpHを有し、および一酸化窒素バブルは、混合後少なくとも15、30、45若しくは60分間、視覚的に検出されない、および/または前記ニトライト化合物は、酸性賦形剤対して150:1、200:1または250:1を超えるモル比で存在する。]
[0110] 一部の実施形態において、本発明は、ニトライト化合物(例えば、亜硝酸アニオンまたはその塩、例えば亜硝酸ナトリウム(NaNO2)、亜硝酸カリウム(KNO2)若しくは亜硝酸マグネシウム(Mg(NO2)2)、または亜硝酸カルシウム(Ca(NO2)2)若しくは亜硝酸リチウム(LiNO2))のエアロゾルおよび/または局所送達に関する。これらのおよび関連実施形態は、呼吸器官管送達および特に(例えば、肺胞、肺胞管および/または気管支への)肺送達を考えており、一定のそのような実施形態は、心臓、脳、移植肺、移植肝臓、移植腎臓および他の臓器における虚血再潅流傷害に対する予防および/または治療法に限定されない方法において有用であり得るような、肺区画における肺血管構造への吸収などによる肺外曝露を、加えてまたは代替的に考えている。例えば、吸入による肺送達、および肺血管床による循環系へのその後の吸収は、冠および頚動脈系の直ぐ上流、ならびに腎臓および肝臓の上流に、疾病部位または潜在的疾病部位としてのこれらの臓器に直接入るために、亜硝酸アニオンを有益に配置することができる。亜硝酸ナトリウムおよび亜硝酸マグネシウムは、好適な溶解特性を有し、加えて、亜硝酸マグネシウムおよび亜硝酸カルシウムは、好適な化学量論的特性をもたらす。]
[0111] その結果、単独でのまたは併用でのこれらの亜硝酸塩(例えば、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸マグネシウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸リチウム)のいずれもが、臨床的に望ましい亜硝酸アニオンおよび/または(NOへのニトライトの還元に続いて)一酸化窒素をエアロゾルにより(例えば、液体霧化、ドライパウダ懸濁若しくは定量投与によって)または局所的に(例えば、水性懸濁物、油性調合物など、あるいは点滴、スプレー、坐剤、膏薬または軟膏など)投与することができ、および肺高血圧、例えば肺動脈性高血圧(pulmonary arterial hypertension:PAH)、を有する被験者の、若しくは肺高血圧を有するリスクがある被験者の急性若しくは予防的治療のための、またはI/R傷害、例えば上述の臓器におけるI/R傷害、を阻止するための、または急性微生物(例えば、細菌、真菌、寄生生物などの)感染症の治療若しくはそのような感染症に対する予防のための方法において用いることができる。被験者がPAHを有する若しくはPAHを有するリスクがあるときに、または虚血性再潅流傷害が心臓、脳、移植肺、移植肝臓若しくは移植腎臓において発生したときに、または微生物感染症が存在するときに判定するための臨床基準は、当分野において公知である。吸入による肺送達よって、低減された全身曝露で、直接、臨床的に望ましい部位に、直接投与および滴定して投与することができる。一定の考えられる実施形態によると、亜硝酸マグネシウムまたは亜硝酸カルシウムの化学量論的利点は、例えば霧化液体ミストとしてのまたはドライパウダ製剤としての、エアロゾル化ニトライト化合物製剤の吸入吸気1回あたり最大限のニトライト化合物投与を活用することができる。]
[0112] 好ましい実施形態において、前記方法は、肺高血圧を有するまたは有する疑いがある被験者に、液体に溶解した亜硝酸アニオンまたはその塩(例えば、NaNO2)を含有するエアロゾルガス(例えば、空気または別のガス中の液体粒子の懸濁物)としてニトライト化合物製剤を投与することによって、肺高血圧を治療する、または肺高血圧に対する予防として役立つ。肺高血圧は、the Third World Health Conference on Pulmonary Hypertension,2003,Veniceによって定義されているようなI〜V群の分類の中の状態を含む。定義されているように、これらの群は、I群肺高血圧(肺動脈性高血圧(pulmonary arterial hypertension:PAH))、II群肺高血圧(肺静脈性高血圧)、III群肺高血圧(肺疾患および/または低酸素血症に関連した肺高血圧)、IV群肺高血圧(慢性血栓性および/または塞栓性疾患に起因する肺高血圧)、およびV群肺高血圧(サルコイドーシス、組織球症X、リンパ管腫症、および肺血管の収縮を引き起こす他の病状を含む、その他もろもろ)である。これらのおよび関連実施形態は、群I肺高血圧のサブカテゴリーも含み、これらは、例えば、Rich S.ed.Executive Summary from the World Symposium on Primary Pulmonary Hypertension,1998,Evian,Franceによって定義されているようなさらなる分類を含み得る。その中で定義されているように、群I肺高血圧のこのさらなる分離は、I群PAH(通常身体活動の制限なし)、II群PAH(活動のわずかな制限)、III群PAH(身体活動の顕著な制限)、およびIV群PAH(一切の身体活動を行うこと不能)を含む。]
[0113] 好ましい実施形態において、前記方法は、肺高血圧を有するまたは有する疑いがある被験者に、固定された組み合わせの液体霧化可能、ドライパウダまたは定量製剤エアロゾル亜硝酸アニオンまたはその塩(または異なる実施形態では、ニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与性化合物)と第二若しくは第三の物質、非限定的な例として、シルデナフィル、エポプロスチノール、トレプロスチニル、イロプロスト、ボセンタン、シタキセンタン、アンブリセンタン、ヘパリン、ヘパリノイド、アンクロッド、他の血栓溶解薬、アスピリン、ジピリダモール、チクロピジン、クロピドグレル、ワルファリン、ジギタリスおよびニモジピンとを、個別の製剤でまたは一緒に併用投与することによって、肺高血圧を治療する、または肺高血圧に対する予防として役立つ。]
[0114] 好ましい実施形態において、前記方法は、心筋虚血を有する若しくは有する疑いがある被験者に液体霧化、ドライパウダ若しくは定量エアロゾル亜硝酸アニオン若しくはその塩(または異なる実施形態ではニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与性化合物)製剤を投与することによって虚血エピソード後の心臓の虚血性再潅流傷害を治療する若しくは虚血エピソード後の心臓の虚血性再潅流傷害に対する予防として役立つ、または冠動脈カテーテル留置中の予防として役立つ。]
[0115] 好ましい実施形態において、前記方法は、脳虚血、梗塞(若しくは脳卒中)を有する若しくは有する疑いがある被験者に液体霧化、ドライパウダ若しくは定量エアロゾル亜硝酸アニオン若しくはその塩(または異なる実施形態ではニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与性化合物)製剤を投与することによって虚血エピソード後の脳の虚血性再潅流傷害を治療する若しくは虚血エピソード後の脳の虚血性再潅流傷害に対する予防として役立つ、または頚動脈カテーテル留置中の予防として役立つ。]
[0116] 好ましい実施形態において、前記方法は、肺移植を有する被験者に(移植前若しくは中に)フラッシュ剤としてまたは(移植後に)液体霧化、ドライパウダ若しくは定量エアロゾルとして亜硝酸アニオンまたはその塩(または異なる実施形態ではニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与性化合物)製剤を投与することによって、移植前または後の肺の虚血性再潅流傷害を治療する、または肺移植前または後の肺の虚血性再潅流傷害に対する予防として役立つ。]
[0117] 好ましい実施形態において、前記方法は、腎臓移植を有する被験者に(移植前若しくは中に)フラッシュ剤としてまたは(移植後に)液体霧化、ドライパウダ若しくは定量エアロゾルとして亜硝酸アニオンまたはその塩(または異なる実施形態ではニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与性化合物)製剤を投与することによって、移植前または後の腎臓の虚血性再潅流傷害を治療する、または腎臓移植前または後の肺の虚血性再潅流傷害に対する予防として役立つ。]
[0118] 好ましい実施形態において、前記方法は、肝臓移植を有する被験者に(移植前若しくは中に)フラッシュ剤としてまたは(移植後に)液体霧化、ドライパウダ若しくは定量エアロゾルとして亜硝酸アニオンまたはその塩(または異なる実施形態ではニトライト供与性若しくは一酸化窒素供与性化合物)製剤を投与することによって、移植前または後の肝臓の虚血性再潅流傷害を治療する、または肝臓移植前または後の肺の虚血性再潅流傷害に対する予防として役立つ。]
权利要求:

請求項1
肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤組成物であって、(a)7.0より高いが9.0より低い最終pHを有するニトライト化合物水溶液を含み、該水溶液が、(i)約0.667mgNO2−/mLから約100mgNO2−/mLの濃度のニトライト化合物と、(ii)味マスキング剤と、(iii)pH緩衝剤とを含有することを特徴とするニトライト化合物製剤組成物。
請求項2
請求項1記載のニトライト化合物製剤組成物において、前記味マスキング剤は、サッカリンナトリウムである。
請求項3
請求項2記載のニトライト化合物製剤組成物において、前記サッカリンナトリウムは、0.1mMから2.0mMの濃度である。
請求項4
請求項1記載のニトライト化合物製剤組成物において、前記pH緩衝剤は、約6.5から約9.3のpKaを有し、および約7.0から約9.0のpHを維持するために十分な濃度で存在する。
請求項5
請求項4記載のニトライト化合物製剤組成物において、前記pH緩衝剤は、リン酸ナトリウムである。
請求項6
請求項5記載のニトライト化合物製剤組成物において、前記リン酸ナトリウムは、約0.1mMから約5.0mMの濃度である。
請求項7
請求項1記載のニトライト化合物製剤組成物において、当該ニトライト化合物製剤組成物を霧化すると、その組成物が、約0.1から5.0マイクロメートルの体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルを形成するものである。
請求項8
請求項1記載のニトライト化合物製剤において、前記pH緩衝剤は、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、ACES、ADA、AMPSO、BES、BICINE、BIS−TRIS、BIS−TRISプロパン、CHES、DIPSO、EPPS、ジグリシン、HEPBS、HEPES、MOPS、MOPSO、PIPES、POPSO、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、TAPS、TAPSO、TES、トリシン、およびTRIZMAから成る群から選択される1若しくはそれ以上の薬剤を含むものである。
請求項9
肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤であって、約7.0から約9.0の最終pHおよび約100から約3600mOsmol/kgの重量オスモル濃度を有する水溶液であって、(i)約0.667mgNO2−/mLから約100mgNO2−/mLの濃度のニトライト化合物と、(ii)味マスキング剤と、(iii)6.5と9.3の間のpKaを有するpH緩衝剤とを含むものである前記溶液を含み、霧化すると、約0.1から約5.0マイクロメートルの体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルを形成することを特徴とする、ニトライト化合物製剤。
請求項10
請求項9記載のニトライト化合物製剤において、重量オスモル濃度は、(a)約300mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度、(b)約600mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度、(c)約1200mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度;(d)約2400mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度、および(e)約3000mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度から成る群から選択されるものである。
請求項11
請求項9または請求項10のいずれかに記載のニトライト化合物製剤において、味マスキング剤は、サッカリンナトリウムを含むものである。
請求項12
請求項9記載のニトライト化合物製剤において、pH緩衝剤は、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、ACES、ADA、AMPSO、BES、BICINE、BIS−TRIS、BIS−TRISプロパン、CHES、DIPSO、EPPS、ジグリシン、HEPBS、HEPES、MOPS、MOPSO、PIPES、POPSO、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、TAPS、TAPSO、TES、トリシン、およびTRIZMAのうちの1若しくはそれ以上から成る群から選択されるものである。
請求項13
肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤であって、(i)約0.667mgNO2−/mLから約100mgNO2−/mLの濃度のニトライト化合物と、(ii)味マスキング剤と、(iii)6.5と9.3の間のpKaを有するpH緩衝剤とを含み;霧化すると、約0.1から約5.0マイクロメートルの体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルを形成することを特徴とする、ニトライト化合物製剤。
請求項14
請求項13記載のニトライト化合物製剤において、このニトライト化合物製剤は、(a)約300mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度;(b)約600mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度;(c)約1200mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度;(d)約2400mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度;および(e)約3000mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度から成る群から選択される重量オスモル濃度を有する製剤をさらに含むものである。
請求項15
請求項14記載のニトライト化合物製剤において、味マスキング剤は、サッカリンナトリウムを含むものである。
請求項16
請求項15記載のニトライト化合物製剤において、pH緩衝剤は、リン酸ナトリウムである。
請求項17
肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤であって、(i)約7.0から約9.0の最終pHを有する水溶液と;(ii)約0.667mgNO2−/mLから約100mgNO2−/mLの濃度の亜硝酸ナトリウムと;(iii)約0.1mMから約2.0mMの濃度のサッカリンナトリウムと;(iv)約0.1mMから約5.0mMの濃度のリン酸ナトリウムとを含むことを特徴とする、ニトライト化合物製剤。
請求項18
請求項17記載のニトライト化合物製剤において、このニトライト化合物製剤は、その製剤を霧化すると、約0.1から約5マイクロメートルの体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルを形成するものである。
請求項19
約0.1から5マイクロメートルの体積平均径の医薬的に許容される霧化液体粒子であって、(1)振動メッシュ式ネブライザおよびジェット式ネブライザの少なくとも一方においてニトライト化合物製剤を霧化して、前記霧化液体粒子を含むエアロゾルを得ることを含む方法によって形成され、前記ニトライト化合物製剤が、(i)約0.667mgNO2−/mLから約100mgNO2−/mLの濃度のニトライト化合物と、(ii)味マスキング剤と、(iii)6.5と9.3の間のpKaを有するpH緩衝剤とを含むことを特徴とする、霧化液体粒子。
請求項20
請求項19記載の霧化液体粒子において、前記霧化ニトライト化合物製剤は、約100から約3000mOsmol/kgの重量オスモル濃度を有するものである。
請求項21
請求項19記載の霧化液体粒子において、霧化ニトライト化合物製剤は、(a)約300mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度;(b)約600mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度;(c)約1200mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度;(d)約2400mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度;および(e)約3000mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度から成る群から選択される、重量オスモル濃度を有するものである。
請求項22
請求項19記載の霧化液体粒子において、前記味マスキング剤は、サッカリンナトリウムを含むものである。
請求項23
請求項19記載の霧化液体粒子において、pH緩衝剤は、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、ACES、ADA、AMPSO、BES、BICINE、BIS−TRIS、BIS−TRISプロパン、CHES、DIPSO、EPPS、ジグリシン、HEPBS、HEPES、MOPS、MOPSO、PIPES、POPSO、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、TAPS、TAPSO、TES、トリシン、およびTRIZMAのうちの1若しくはそれ以上から成る群から選択されるものである。
請求項24
請求項19記載の霧化液体粒子において、前記pH緩衝剤は、リン酸ナトリウムである。
請求項25
医薬的に許容されるニトライト化合物の治療有効量の肺床への送達を、そのような送達が必要な被験者において行う方法であって、(a)約7.0から約9.0のpHを有する水溶液を含むニトライト化合物製剤を霧化して、約0.1から約5マイクロメートルの体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルを形成する段階であって、該水溶液が、(i)約0.667mgNO2−/mLから約100mgNO2−/mLのニトライトと、(ii)約0.1mMから約2.0mMのサッカリンナトリウムと、(iii)約0.1mMから約5.0mMのリン酸ナトリウムとを含むものである前記霧化段階と;(b)(a)のエアロゾルを吸入によって投与し、それによってニトライト化合物の治療有効量を肺床に送達する段階とを含むことを特徴とする、方法。
請求項26
請求項25記載の方法において、前記投与は、肺床へのニトライト化合物送達のピーク期間が吸入の開始後60分以内の投与を含むものである。
請求項27
請求項25記載の方法において、前記投与は、肺床へのニトライト化合物送達のピーク期間が吸入の開始後35分以内の投与を含むものである。
請求項28
請求項25記載の方法において、前記投与は、肺床へのニトライト化合物送達のピーク期間が吸入の開始後25分以内の投与を含むものである。
請求項29
請求項25記載の方法において、前記投与は、肺床へのニトライト化合物送達のピーク期間が吸入の開始後15分以内の投与を含むものである。
請求項30
請求項25記載の方法において、前記投与は、肺床へのニトライト化合物送達のピーク期間が吸入の開始後10分以内の投与を含むものである。
請求項31
請求項25記載の方法において、前記投与は、肺床へのニトライト化合物送達のピーク期間が吸入の開始後5分以内の投与を含むものである。
請求項32
肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤組成物であって、(a)約7.0から約9.0の最終pHを有する溶液に少なくとも90mg/mLの濃度で溶解された亜硝酸ナトリウムと;(b)約0.1mMから約2.0mMの濃度のサッカリンナトリウムと;(c)約0.1mMから約5.0mMの濃度のリン酸ナトリウムとを含むことを特徴とする、組成物。
請求項33
肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤組成物であって、(a)少なくとも70mg/mLの濃度で溶解された亜硝酸ナトリウムを含む溶液であって、約7.0から約9.0の最終pHを有するものである該溶液と、(b)約0.1mMから約2.0mMの濃度のサッカリンナトリウムと、(c)約0.1mMから約5.0mMの濃度のリン酸ナトリウムとを含むことを特徴とする、組成物。
請求項34
肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤組成物であって、(a)少なくとも50mg/mLの濃度で溶解された亜硝酸ナトリウムを含む溶液であって、約7.0から約9.0の最終pHを有するものである該溶液と、(b)約0.1mMから約2.0mMの濃度のサッカリンナトリウムと、(c)約0.1mMから約5.0mMの濃度のリン酸ナトリウムとを含むことを特徴とする、組成物。
請求項35
肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤組成物であって、(a)少なくとも30mg/mLの濃度で溶解された亜硝酸ナトリウムを含む溶液であって、約7.0から約9.0の最終pHを有するものである該溶液と、(b)約0.1mMから約2.0mMの濃度のサッカリンナトリウムと、(c)約0.1mMから約5.0mMの濃度のリン酸ナトリウムとを含むことを特徴とする、組成物。
請求項36
肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤組成物であって、(a)少なくとも20mg/mLの濃度で溶解された亜硝酸ナトリウムを含む溶液であって、約7.0から約9.0の最終pHを有するものである該溶液と、(b)約0.1mMから約2.0mMの濃度のサッカリンナトリウムと、(c)約0.1mMから約5.0mMの濃度のリン酸ナトリウムとを含むことを特徴とする、組成物。
請求項37
肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤組成物であって、(a)少なくとも10mg/mLの濃度で溶解された亜硝酸ナトリウムを含む溶液であって、約7.0から約9.0の最終pHを有するものである該溶液と、(b)約0.1mMから約2.0mMの濃度のサッカリンナトリウムと、(c)約0.1mMから約5.0mMの濃度のリン酸ナトリウムとを含むことを特徴とする、組成物。
請求項38
肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤組成物であって、(a)少なくとも5mg/mLの濃度で溶解された亜硝酸ナトリウムを含む溶液であって、約7.0から約9.0の最終pHを有するものである該溶液と、(b)約0.1mMから約2.0mMの濃度のサッカリンナトリウムと、(c)約0.1mMから約5.0mMの濃度のリン酸ナトリウムとを含むことを特徴とする、組成物。
請求項39
肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤組成物であって、(a)少なくとも1mg/mLの濃度で溶解された亜硝酸ナトリウムを含む溶液であって、約7.0から約9.0の最終pHを有するものである該溶液と。(b)約0.1mMから約2.0mMの濃度のサッカリンナトリウムと、(c)約0.1mMから約5.0mMの濃度のリン酸ナトリウムとを含むことを特徴とする、組成物。
請求項40
請求項13および17のいずれか1つに記載のニトライト化合物製剤または請求項19記載の霧化液体粒子において、このニトライト化合物製剤またはこの霧化液体粒子は、吸入による肺送達のためのものである。
請求項41
肺動脈性高血圧または虚血性再潅流傷害を治療する方法であって、請求項1および32から38のいずれか1つに記載のニトライト化合物製剤組成物または請求項9、13および17のいずれか1つに記載のニトライト化合物製剤の治療有効用量を、その必要がある被験者に投与することを含むことを特徴とする、方法。
請求項42
請求項41記載の方法において、虚血性再潅流傷害は、冠動脈性心疾患、脳卒中または移植に関連したものである。
請求項43
請求項41記載の方法において、肺動脈性高血圧(pulmonaryarterialhypertension:PAH)は、I群PAH、II群肺高血圧(肺静脈性高血圧)、III群肺高血圧(肺疾患および/または低酸素血症に関連した肺高血圧)、IV群肺高血圧(慢性血栓性および/または塞栓性疾患に起因する肺高血圧)、または組織球症X、リンパ管腫症、および肺血管の収縮を引き起こす他の病状を含む、V群肺高血圧である。
請求項44
キットであって、(a)医薬的に許容されるニトライト製剤であって、7.0より高いが9.0より低い最終pHを有する、および(i)約0.667mgNO2−/mLから約100mgNO2−/mLの濃度のニトライト化合物と、(ii)味マスキング剤と、(iii)pH緩衝剤とを含有するニトライト化合物水溶液を含むものである前記ニトライト製剤と、(b)(a)のニトライト製剤をエアロゾル化することに適しているネブライザとを有することを特徴とする、キット。
請求項45
請求項44記載のキットにおいて、前記味マスキング剤は、サッカリンナトリウムである。
請求項46
請求項44記載のキットにおいて、前記pH緩衝剤は、リン酸ナトリウムである。
請求項47
肺動脈性高血圧または虚血性再潅流傷害を治療する方法であって、ネブライザを使用する吸入によってニトライト液体化合物製剤組成物の治療有効用量をその必要がある被験者に投与することを含み、前記ネブライザが、体積平均5マイクロメートル未満の粒子で約0.25から90mgの亜硝酸ナトリウムを含有する吸入エアロゾルを、前記被験者に送達することを特徴とする、方法。
請求項48
約1から約360mgの亜硝酸ナトリウムを収容するように液体亜硝酸ナトリウム製剤が負荷されたエアロゾル化装置であって、5マイクロメートル未満の体積平均径の粒子で約0.25から90mgの亜硝酸ナトリウムを含有するエアロゾルを被験者に送達することを特徴とする、エアロゾル化装置。
請求項49
約0.36から約129mgの亜硝酸ナトリウムを収容するように液体亜硝酸ナトリウム製剤が負荷されたエアロゾル化装置であって、5マイクロメートル未満の体積平均径の粒子で約0.25から90mgの亜硝酸ナトリウムを含有するエアロゾルを被験者に送達することを特徴とする、エアロゾル化装置。
請求項50
肺動脈性高血圧または虚血性再潅流傷害を治療する方法であって、ドライパウダ式吸入器を使用する吸入によってドライ・パウダ・ニトライト化合物製剤組成物の治療有効用量をその必要がある被験者に投与することを含み、前記ドライパウダ式吸入器が、5マイクロメートル未満の体積平均径の粒子で約0.18から18mgの亜硝酸ナトリウムを含有するエアロゾルを前記被験者に送達することを特徴とする、方法。
請求項51
吸入吸気1回につき約0.35mgから約35mgの亜硝酸ナトリウムを収容するようにドライパウダ亜硝酸ナトリウム製剤が負荷された単回または多回投与用のドライパウダ式吸入器であって、吸入吸気1回につき5マイクロメートル未満の平均径の粒子で約0.18mgから18mgの亜硝酸ナトリウムを含有するエアロゾルを前記被験者に送達することを特徴とする、ドライパウダ式吸入器。
請求項52
請求項47および50記載の方法において、亜硝酸ナトリウムの投与は、結果として約0.1μMから約10μMのピーク血漿中ニトライトをもたらすものである。
請求項53
請求項48、49および51記載の吸入装置において、送達は、結果として約0.1μMから約10μMのピーク血漿中ニトライトをもたらすものである。
請求項54
請求項1記載のニトライト化合物製剤組成物において、ニトライトは、亜硝酸ナトリウムである。
請求項55
請求項1、32、33、34、35、36、37および38のいずれか1つに記載のニトライト化合物製剤組成物において、肺送達は、吸入によるものである。
請求項56
肺送達のためのニトライト化合物製剤組成物であって、(a)7.0より高いpHを有するニトライト化合物水溶液と;(b)酸性賦形剤水溶液とを含み、(a)と(b)を混合してニトライト化合物製剤を形成すると:(i)ニトライト化合物が、約0.667mgNO2−/mLから約100mgNO2−/mLの濃度で存在する、(ii)前記ニトライト化合物製剤が、約4.7から約6.5のpHを有する、および(iii)一酸化窒素バブルを、混合後少なくとも15、30、45または60分間、視覚的に検出できないことを特徴とする、ニトライト化合物製剤組成物。
請求項57
請求項56記載のニトライト化合物製剤組成物において、このニトライト化合物製剤組成物は、(a)と(b)を混合すると、ニトライト化合物が、酸性賦形剤に対して150:1、200:1または250:1を超えるモル比で存在するものである。
請求項58
肺送達のためのニトライト化合物製剤組成物であって、(a)7.0より高いpHを有するニトライト化合物水溶液と;(b)酸性賦形剤水溶液とを含み、(a)と(b)を混合してニトライト化合物製剤を形成すると:(i)ニトライト化合物が、約0.667mgNO2−/mLから約100mgNO2−/mLの濃度で存在する、(ii)ニトライト化合物製剤が、約4.7から約6.5のpHを有する、および(iii)ニトライト化合物が、酸性賦形剤に対して150:1、200:1または250:1を超えるモル比で存在することを特徴とする、ニトライト化合物製剤組成物。
請求項59
請求項56または請求項58のいずれかに記載のニトライト化合物製剤組成物において、このニトライト化合物製剤組成物は、ニトライト化合物製剤を霧化して、約0.1から5.0マイクロメートルの体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルを形成すると、前記エアロゾルが、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含むものである。
請求項60
請求項56または請求項58のいずれかに記載のニトライト化合物製剤組成物において、このニトライト化合物製剤組成物は、混合後15分以内に、ネブライザによる該ニトライト化合物製剤の霧化が、ニトライト化合物水溶液のネブライザによる霧化に比べて検出可能に損なわれないものである。
請求項61
請求項56または請求項58のいずれかに記載のニトライト化合物製剤組成物において、このニトライト化合物製剤組成物は、味マスキング剤をさらに含むものである。
請求項62
請求項61記載のニトライト化合物製剤組成物において、味マスキング剤は、サッカリンナトリウムを含むものである。
請求項63
肺送達のためのニトライト化合物製剤であって、約4.7から約6.5のpHを有する水溶液を含み、該溶液が、(a)約0.667mgNO2−/mLから約100mgNO2−/mLの濃度のニトライト化合物と、(b)約0.021mMから約3.2mMの濃度のクエン酸とを含むことを特徴とする、ニトライト化合物製剤。
請求項64
請求項63記載のニトライト化合物製剤組成物において、このニトライト化合物製剤組成物は、ニトライト化合物製剤を霧化して、約0.1から5.0マイクロメートルの体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルを形成すると、該エアロゾルが、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含むものである。
請求項65
請求項63記載のニトライト化合物製剤において、このニトライト化合物製剤は、味マスキング剤をさらに含むものである。
請求項66
請求項65記載のニトライト化合物製剤において、味マスキング剤は、サッカリンナトリウムを含むものである。
請求項67
肺送達のためのニトライト化合物製剤であって、約4.7から約6.5のpHを有する水溶液を含み、該溶液が、(a)約0.667mgNO2−/mLから約100mgNO2−/mLの濃度のニトライト化合物と;(b)5.1と6.8の間のpKaを有し、23℃で少なくとも1時間の期間にわたって約4.7から約6.5のpHを維持するために十分な濃度で存在する緩衝剤と;(c)味マスキング剤とを含むことを特徴とする、ニトライト化合物製剤。
請求項68
請求項67記載のニトライト化合物製剤において、このニトライト化合物製剤は、このニトライト化合物製剤を霧化して、約0.1から約5.0マイクロメートルの体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルを形成すると、該エアロゾルが12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含むものである。
請求項69
請求項67記載のニトライト化合物製剤において、緩衝剤は、リンゴ酸塩、ピリジン、ピペラジン、コハク酸塩、ヒスチジン、マレイン酸塩、BIS−TRIS、ピロリン酸塩、PIPES、ACES、ヒスチジン、MES、カコジル酸、H2CO3/NaHCO3およびN−(2−アセトアミド)−2−イミノ二酢酸(N−(2−Acetamido)−2−iminodiaceticacid:ADA)から成る群から選択されるものである。
請求項70
肺送達のためのニトライト化合物製剤であって、約4.7から約6.5のpHおよび約100から約3600mOsmol/kgの重量オスモル濃度を有する水溶液であって、(i)約0.667mgNO2−/mLから約100mgNO2−/mLの濃度のニトライト化合物と、(ii)5.1と6.8の間のpKaを有するpH緩衝剤とを含むものである前記溶液を含み、霧化すると、約0.1から約5.0マイクロメートルの体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルを形成し、該エアロゾルが、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含むことを特徴とする、ニトライト化合物製剤。
請求項71
請求項70記載のニトライト化合物製剤であって、このニトライト化合物製剤は、(a)味マスキング剤をさらに含むニトライト化合物製剤、(b)ニトライト化合物濃度が少なくとも16.7mgNO2−/mLであるニトライト化合物製剤であって、味マスキング剤をさらに含むものである該製剤、(c)重量オスモル濃度が約650mOsmol/kg未満であり、ニトライト化合物がpH緩衝剤に対して150:1、200:1、250:1、300:1、400:1または500:1を超えるモル濃度で存在するニトライト化合物製剤、ならびに(d)重量オスモル濃度が約1000mOsmol/kg未満であり、ニトライト化合物がpH緩衝剤に対して150:1、200:1、250:1、300:1、400:1または500:1を超えるモル濃度で存在するニトライト化合物製剤であって、味マスキング剤をさらに含むものである該製剤から選択されるものである。
請求項72
請求項67または請求項71のいずれかに記載のニトライト化合物製剤において、味マスキング剤は、サッカリンナトリウムを含むものである。
請求項73
請求項70記載のニトライト化合物製剤において、pH緩衝剤は、リンゴ酸塩、ピリジン、ピペラジン、コハク酸塩、ヒスチジン、マレイン酸塩、BIS−TRIS、ピロリン酸塩、PIPES、ACES、ヒスチジン、MES、カコジル酸、H2CO3/NaHCO3およびN−(2−アセトアミド)−2−イミノ二酢酸(N−(2−Acetamido)−2−iminodiaceticacid:ADA)から成る群から選択されるものである。
請求項74
肺送達のためのニトライト化合物製剤であって、約4.7から約6.5のpHおよび約100から約3600mOsmol/kgの重量オスモル濃度を有する水溶液であって、(i)約0.667mgNO2−/mLから約100mgNO2−/mLの濃度のニトライト化合物と、(ii)クエン酸とを含むものである前記溶液を含み、霧化すると、約0.1から約5.0マイクロメートルの体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルを形成し、該エアロゾルが、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含むことを特徴とする、ニトライト化合物製剤。
請求項75
請求項74記載のニトライト化合物製剤において、このニトライト化合物製剤は、(a)味マスキング剤をさらに含むニトライト化合物製剤、(b)ニトライト化合物濃度が少なくとも16.7mgNO2−/mLであるニトライト化合物製剤であって、味マスキング剤をさらに含むものである該製剤、(c)重量オスモル濃度が約650mOsmol/kg未満であり、ニトライト化合物がpH緩衝剤に対して150:1、200:1、250:1、300:1、400:1または500:1を超えるモル濃度で存在するニトライト化合物製剤、ならびに(d)重量オスモル濃度が約1000mOsmol/kg未満であり、ニトライト化合物がpH緩衝剤に対して150:1、200:1、250:1、300:1、400:1または500:1を超えるモル濃度で存在するニトライト化合物製剤であって、味マスキング剤をさらに含むものである該製剤から選択されるものである。
請求項76
請求項75記載のニトライト化合物製剤において、味マスキング剤は、サッカリンナトリウムを含むものである。
請求項77
肺送達のためのニトライト化合物製剤であって、亜硝酸ナトリウムとサッカリンナトリウムとクエン酸とを含む、約4.7から約6.5のpHを有する水溶液を含み、(i)亜硝酸ナトリウムが、サッカリンナトリウムに対して、約1.3×103:1から約4.4×103:1のモル比で前記溶液中に存在する、および(ii)亜硝酸ナトリウムが、クエン酸に対して、約2.0×102:1から約6.9×102:1のモル比で前記溶液中に存在することを特徴とする、ニトライト化合物製剤。
請求項78
請求項77記載のニトライト化合物製剤において、このニトライト化合物製剤は、その製剤を霧化して、約0.1から約5マイクロメートルの体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルを形成すると、該エアロゾルが、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含むものである。
請求項79
約0.1から約5マイクロメートルの体積平均径の霧化液体粒子であって、(1)(a)7.0より高いpHを有するニトライト化合物水溶液と(b)酸性賦形剤水溶液とを混合して、ニトライト化合物製剤を形成する段階と;(2)前記混合段階の約15〜30分以内に、振動メッシュ式ネブライザおよびジェット式ネブライザの少なくとも一方において(1)のニトライト化合物製剤を霧化して、前記霧化液体粒子を含むエアロゾルを得る段階とを含む方法によって形成され、(i)ニトライト化合物が、約0.667mgNO2−/mLから約100mgNO2−/mLの濃度で前記ニトライト化合物製剤中に存在する、(ii)前記ニトライト化合物製剤が、約4.7から約6.5のpHを有する、および(iii)前記エアロゾルが、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含むことを特徴とする、霧化液体粒子。
請求項80
請求項79記載の霧化液体粒子において、この霧化液体粒子は、ニトライト化合物製剤中のニトライト化合物濃度が少なくとも16.7mgNO2−/mLである、(a)段階(1)が味マスキング剤の混合をさらに含む方法によって形成されるのでニトライト化合物製剤が該味マスキング剤を含む粒子、および(b)段階(1)が味マスキング剤の混合をさらに含む方法によって形成されるのでニトライト化合物製剤が該味マスキング剤を含む粒子、から選択されるものである。
請求項81
請求項80記載の霧化液体粒子において、味マスキング剤は、サッカリンナトリウムを含むものである。
請求項82
約0.1から約5マイクロメートルの体積平均径の霧化液体粒子であって、約4.7から約6.5のpHを有する水溶液であって、(a)約0.667mgNO2−/mLから約100mgNO2−/mLの濃度のニトライト化合物と、(b)約0.021mMから約3.2mMの濃度で存在するクエン酸とを含むものである前記溶液を含み、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含むエアロゾル中に存在することを特徴とする、霧化液体粒子。
請求項83
約0.1から約5マイクロメートルの体積平均径の霧化液体粒子であって、約4.7から約6.5のpHを有する水溶液であって、(a)約0.667mgNO2−/mLから約150mgNO2−/mLの濃度のニトライト化合物と、(b)5.1と6.8の間のpKaを有し、23℃で少なくとも1時間の期間にわたって約4.7から約6.5のpHを維持するために十分な濃度で存在する緩衝剤とを含むものである前記溶液を含み、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含むエアロゾル中に存在することを特徴とする、霧化液体粒子。
請求項84
請求項83記載の霧化液体粒子において、緩衝剤は、リンゴ酸塩、ピリジン、ピペラジン、コハク酸塩、ヒスチジン、マレイン酸塩、BIS−TRIS、ピロリン酸塩、PIPES、ACES、ヒスチジン、MES、カコジル酸、H2CO3/NaHCO3およびN−(2−アセトアミド)−2−イミノ二酢酸(N−(2−Acetamido)−2−iminodiaceticacid:ADA)から成る群から選択されるものである。
請求項85
約0.1から約5マイクロメートルの体積平均径の霧化液体粒子であって、約4.7から約6.5のpHおよび約100から約3600mOsmol/kgの重量オスモル濃度を有する水溶液であって、(i)約0.667mgNO2−/mLから約100mgNO2−/mLの濃度のニトライト化合物と、(ii)5.1と6.8の間のpKaを有するpH緩衝剤とを含むものである前記溶液を含み、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含むエアロゾル中に存在することを特徴とする、霧化液体粒子。
請求項86
請求項85記載の霧化液体粒子において、緩衝剤は、リンゴ酸塩、ピリジン、ピペラジン、コハク酸塩、ヒスチジン、マレイン酸塩、BIS−TRIS、ピロリン酸塩、PIPES、ACES、ヒスチジン、MES、カコジル酸、H2CO3/NaHCO3およびN−(2−アセトアミド)−2−イミノ二酢酸(N−(2−Acetamido)−2−iminodiaceticacid:ADA)から成る群から選択されるものである。
請求項87
約0.1から約5マイクロメートルの体積平均径の霧化液体粒子であって、約4.7から約6.5のpHおよび約100から約3600mOsmol/kgの重量オスモル濃度を有する水溶液であって、(i)約0.667mgNO2−/mLから約100mgNO2−/mLの濃度のニトライト化合物と、(ii)クエン酸とを含むものである前記溶液を含み、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含むエアロゾル中に存在することを特徴とする、霧化液体粒子。
請求項88
請求項82、83、85および87のいずれか1つに記載の霧化液体粒子において、この霧化液体粒子は、(a)味マスキング剤をさらに含む霧化液体粒子、(b)ニトライト化合物濃度が少なくとも16.7mgNO2−/mLである霧化液体粒子であって、味マスキング剤をさらに含むものである該霧化液体粒子、(c)ニトライト化合物製剤を含む霧化液体粒子であって、該ニトライト化合物製剤における重量オスモル濃度が650mOsmol/kg未満であり、およびニトライト化合物がpH緩衝剤に対して150:1、200:1、250:1、300:1、400:1または500:1を超えるモル濃度で存在するものである前記霧化液体粒子、ならびに(d)ニトライト化合物製剤を含む霧化液体粒子であって、該ニトライト化合物製剤における重量オスモル濃度が、1000mOsmol/kg未満でありおよびニトライト化合物がpH緩衝剤に対して150:1、200:1、250:1、300:1、400:1または500:1を超えるモル濃度で存在し、該ニトライト化合物製剤が味マスキング剤をさらに含むものである前記霧化液体粒子、から選択されるものである。
請求項89
請求項33記載の霧化液体粒子において、味マスキング剤は、サッカリンナトリウムを含むものである。
請求項90
約0.1から約5マイクロメートルの体積平均径の霧化液体粒子であって、亜硝酸ナトリウムとサッカリンナトリウムとクエン酸とを含む、約4.7から約6.5のpHを有する水溶液を含み、(i)亜硝酸ナトリウムが、サッカリンナトリウムに対して、約1.3×103:1から約4.4×103:1のモル比で前記溶液中に存在する、(ii)亜硝酸ナトリウムが、クエン酸に対して、約2.0×102:1から約6.9×102:1のモル比で前記溶液中に存在する、および(iii)該霧化液体粒子が、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含むエアロゾル中に存在することを特徴とする、霧化液体粒子。
請求項91
肺床にニトライト化合物を送達する方法であって、請求項79、82、83、81、87および90のいずれか1つに記載の1つまたは多数の霧化液体粒子を吸入によって投与することを含む方法。
請求項92
請求項91記載の方法において、1つまたは多数の霧化液体粒子は、(a)味マスキング剤をさらに含む霧化液体粒子、(b)ニトライト化合物濃度が少なくとも16.7mgNO2−/mLである霧化液体粒子であって、味マスキング剤をさらに含むものである該霧化液体粒子、(c)ニトライト化合物製剤を含む霧化液体粒子であって、該ニトライト化合物製剤における重量オスモル濃度が約650mOsmol/kg未満でありおよびニトライト化合物がpH緩衝剤に対して150:1、200:1、250:1、300:1、400:1または500:1を超えるモル濃度で存在するものである前記霧化液体粒子、ならびに(d)ニトライト化合物製剤を含む霧化液体粒子であって、該ニトライト化合物製剤における重量オスモル濃度が約1000mOsmol/kg未満でありおよびニトライト化合物がpH緩衝剤に対して150:1、200:1、250:1、300:1、400:1または500:1を超えるモル濃度で存在し、該製剤がさらに味マスキング剤を含むものである前記霧化液体粒子、から選択されるものである。
請求項93
請求項92記載の方法において、前記味マスキング剤は、サッカリンナトリウムを含むものである。
請求項94
肺床にニトライト化合物の治療有効量を送達するための方法であって、(a)(i)7.0より高いpHを有するニトライト化合物水溶液と(ii)酸性賦形剤水溶液とを混合して、ニトライト化合物製剤を形成する段階であって、(1)ニトライト化合物が、約0.667mgNO2−/mLから約100mgNO2−/mLの濃度で存在する、および(2)ニトライト化合物製剤が、約4.7から約6.5のpHを有するのである該混合段階と;(b)前記混合段階後6、5、4、3、2、1、0.75、0.5または0.25時間未満の期間内に、(a)のニトライト化合物製剤を霧化して、約0.1から約5マイクロメートルの体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルを形成する段階であって、該エアロゾルが、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含むものである該霧化段階と;(c)(b)のエアロゾル化懸濁液を吸入によって投与し、それによってニトライト化合物の治療有効量を肺床に送達する段階とを含む、方法。
請求項95
請求項94記載の方法において、この方法は、吸入後、少なくとも60分の肺床へのニトライト化合物送達のピーク期間を有するものである。
請求項96
請求項94記載の方法において、この方法は、混合段階後少なくとも35分の肺床へのニトライト化合物送達のピーク期間を有するものである。
請求項97
肺送達のためのニトライト化合物製剤であって、亜硝酸ナトリウムとクエン酸とを含む、約4.7から約6.5のpHを有する水溶液を含み、亜硝酸ナトリウムが、クエン酸に対して、約2.0×102:1から約6.9×102:1のモル比で前記溶液中に存在することを特徴とする、ニトライト化合物製剤。
請求項98
肺送達のためのニトライト化合物製剤であって、亜硝酸ナトリウムとサッカリンナトリウムとを含む、約4.7から約6.5のpHを有する水溶液を含み、亜硝酸ナトリウムが、サッカリンナトリウムに対して、約1.3×103:1から約4.4×103:1のモル比で前記溶液中に存在することを特徴とする、ニトライト化合物製剤。
請求項99
請求項97または請求項98記載のニトライト化合物製剤において、このニトライト化合物製剤は、約0.1から約5マイクロメートルの体積平均径の液体粒子に霧化すると、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含むエアロゾルを生成するものである。
請求項100
請求項97記載のニトライト化合物製剤において、このニトライト化合物製剤は、(a)味マスキング剤をさらに含むニトライト化合物製剤、(b)ニトライト化合物濃度が少なくとも16.7mgNO2−/mLであるニトライト化合物製剤であって、味マスキング剤をさらに含むものである該製剤、(c)重量オスモル濃度が約650mOsmol/kg未満であり、ニトライト化合物がpH緩衝剤に対して150:1、200:1、250:1、300:1、400:1または500:1を超えるモル濃度で存在するニトライト化合物製剤、ならびに(d)重量オスモル濃度が約1000mOsmol/kg未満であり、ニトライト化合物がpH緩衝剤に対して150:1、200:1、250:1、300:1、400:1または500:1を超えるモル濃度で存在するニトライト化合物製剤であって、味マスキング剤をさらに含むものである該製剤から選択されるものである。
請求項101
請求項100記載のニトライト化合物製剤において、味マスキング剤は、サッカリンナトリウムを含むものである。
請求項102
約0.1から約5マイクロメートルの体積平均径の霧化液体粒子であって、亜硝酸ナトリウムとクエン酸とを含む、約4.7から約6.5のpHを有する水溶液を含み、(i)亜硝酸ナトリウムが、クエン酸に対して、約2.0×102:1から約6.9×102:1のモル比で前記溶液中に存在する、および(ii)該霧化液体粒子が、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含むエアロゾル中に存在することを特徴とする、霧化液体粒子。
請求項103
約0.1から約5マイクロメートルの体積平均径の霧化液体粒子であって、亜硝酸ナトリウムとサッカリンナトリウムとを含む、約4.7から約6.5のpHを有する水溶液を含み、(i)亜硝酸ナトリウムが、サッカリンナトリウムに対して、約1.3×103:1から約4.4×103:1のモル比で前記溶液中に存在する、および(ii)該霧化液体粒子が、12十億分率から1800十億分率の一酸化窒素を含むエアロゾル中に存在することを特徴とする、霧化液体粒子。
請求項104
肺送達のためのニトライト化合物製剤組成物であって、(a)溶液に少なくとも50mg/mLの濃度で溶解した亜硝酸ナトリウムと、(b)味マスキング剤とを含む、ニトライト化合物製剤組成物。
請求項105
肺送達のためのニトライト化合物製剤組成物であって、(a)水溶液に少なくとも25mg/mLの濃度で溶解した亜硝酸ナトリウムと、(b)前記水溶液に溶解した酸性賦形剤と、(c)味マスキング剤とを含むニトライト化合物製剤組成物。
請求項106
請求項101記載のニトライト化合物製剤組成物において、酸性賦形剤は、亜硝酸ナトリウムに対して1:150、1:200または1:250のモル比でクエン酸を含むものである。
請求項107
請求項49または請求項50のいずれかに記載のニトライト化合物製剤組成物において、味マスキング剤は、サッカリンナトリウムを含むものである。
請求項108
請求項56、58、104および105のいずれか1つに記載のニトライト化合物製剤組成物において、肺送達は、吸入によるものである。
請求項109
請求項63、67、70、74、77、97および98のいずれか1つに記載のニトライト化合物製剤において、肺送達は、吸入によるものである。
請求項110
請求項79、82、83、85、87、89、102および103のいずれか1つに記載の霧化液体粒子において、肺送達は、吸入によるものである。
請求項111
肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤組成物であって、(a)7.0より高いが9.0より低い最終pHを有するニトライト化合物水溶液を含み、該水溶液が、(i)約0.667mgNO2−/mLから約100mgNO2−/mLの濃度のニトライト化合物と、(ii)味マスキング剤と、(iii)pH緩衝剤とを含有することを特徴とする、ニトライト化合物製剤組成物。
請求項112
請求項111記載のニトライト化合物製剤組成物において、味マスキング剤は、サッカリンナトリウムである。
請求項113
請求項112記載のニトライト化合物製剤組成物において、サッカリンナトリウムは、0.1mMから2.0mMの濃度である。
請求項114
請求項111記載のニトライト化合物製剤組成物において、pH緩衝剤は、約6.5から約9.3のpKaを有し、および約7.0から約9.0のpHを維持するために十分な濃度で存在する。
請求項115
請求項114記載のニトライト化合物製剤組成物において、pH緩衝剤は、リン酸ナトリウムである。
請求項116
請求項115記載のニトライト化合物製剤組成物において、リン酸ナトリウムは、約0.1mMから約5.0mMの濃度である。
請求項117
請求項111記載のニトライト化合物製剤組成物において、このニトライト化合物製剤組成物を霧化すると、その組成物が、約0.1から5.0マイクロメートルの体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルを形成するものである。
請求項118
請求項56記載のニトライト化合物製剤において、pH緩衝剤は、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、ACES、ADA、AMPSO、BES、BICINE、BIS−TRIS、BIS−TRISプロパン、CHES、DIPSO、EPPS、ジグリシン、HEPBS、HEPES、MOPS、MOPSO、PIPES、POPSO、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、TAPS、TAPSO、TES、トリシン、およびTRIZMAから成る群から選択される1若しくはそれ以上の薬剤を含むものである。
請求項119
肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤であって、約7.0から約9.0の最終pHおよび約100から約3600mOsmol/kgの重量オスモル濃度を有する水溶液であって、(i)約0.667mgNO2−/mLから約100mgNO2−/mLの濃度のニトライト化合物と、(ii)味マスキング剤と、(iii)6.5と9.3の間のpKaを有するpH緩衝剤とを含むものである前記溶液を含み、霧化すると、約0.1から約5.0マイクロメートルの体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルを形成することを特徴とする、ニトライト化合物製剤。
請求項120
請求項64記載のニトライト化合物製剤において、重量オスモル濃度は、(a)約300mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度;(b)約600mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度;(c)約1200mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度;(d)約2400mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度;および(e)約3000mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度から成る群から選択されるものである。
請求項121
請求項119または請求項120のいずれかに記載のニトライト化合物製剤において、味マスキング剤は、サッカリンナトリウムを含むものである。
請求項122
請求項119記載のニトライト化合物製剤において、pH緩衝剤は、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、ACES、ADA、AMPSO、BES、BICINE、BIS−TRIS、BIS−TRISプロパン、CHES、DIPSO、EPPS、ジグリシン、HEPBS、HEPES、MOPS、MOPSO、PIPES、POPSO、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、TAPS、TAPSO、TES、トリシン、およびTRIZMAのうちの1若しくはそれ以上から成る群から選択されるものである。
請求項123
肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤であって、(i)約0.667mgNO2−/mLから約100mgNO2−/mLの濃度のニトライト化合物と、(ii)味マスキング剤と、(iii)6.5と9.3の間のpKaを有するpH緩衝剤とを含み、霧化すると、約0.1から約5.0マイクロメートルの体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルを形成することを特徴とする、ニトライト化合物製剤。
請求項124
請求項123記載のニトライト化合物製剤において、このニトライト化合物製剤は、(a)約300mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度、(b)約600mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度、(c)約1200mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度、(d)約2400mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度、および(e)約3000mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度から成る群から選択される重量オスモル濃度を有する製剤をさらに含むものである。
請求項125
請求項124記載のニトライト化合物製剤において、前記味マスキング剤は、サッカリンナトリウムを含むものである。
請求項126
請求項125記載のニトライト化合物製剤において、前記pH緩衝剤は、リン酸ナトリウムである。
請求項127
肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤であって、(i)約7.0から約9.0の最終pHを有する水溶液と;(ii)約0.667mgNO2−/mLから約100mgNO2−/mLの濃度の亜硝酸ナトリウムと;(iii)約0.1mMから約2.0mMの濃度のサッカリンナトリウムと;(iv)約0.1mMから約5.0mMの濃度のリン酸ナトリウムとを含むことを特徴とする、ニトライト化合物製剤。
請求項128
請求項127記載のニトライト化合物製剤において、このニトライト化合物製剤は、該製剤を霧化すると、約0.1から約5マイクロメートルの体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルを形成すものである。
請求項129
約0.1から5マイクロメートルの体積平均径の医薬的に許容される霧化液体粒子であって、(1)振動メッシュ式ネブライザおよびジェット式ネブライザの少なくとも一方においてニトライト化合物製剤を霧化して、前記霧化液体粒子を含むエアロゾルを得る工程を含む方法によって形成され、前記ニトライト化合物製剤は、(i)約0.667mgNO2−/mLから約100mgNO2−/mLの濃度のニトライト化合物と、(ii)味マスキング剤と、(iii)6.5と9.3の間のpKaを有するpH緩衝剤とを含むことを特徴とする、霧化液体粒子。
請求項130
請求項129記載の霧化液体粒子において、霧化ニトライト化合物製剤は、約100から約3000mOsmol/kgの重量オスモル濃度を有するものである。
請求項131
請求項129記載の霧化液体粒子において、霧化ニトライト化合物製剤は、(a)約300mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度、(b)約600mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度、(c)約1200mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度、(d)約2400mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度、および(e)約3000mOsmol/kg未満である重量オスモル濃度から成る群から選択される重量オスモル濃度を有するものである。
請求項132
請求項129記載の霧化液体粒子において、味マスキング剤は、サッカリンナトリウムを含むものである。
請求項133
請求項129記載の霧化液体粒子において、前記pH緩衝剤は、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、ACES、ADA、AMPSO、BES、BICINE、BIS−TRIS、BIS−TRISプロパン、CHES、DIPSO、EPPS、ジグリシン、HEPBS、HEPES、MOPS、MOPSO、PIPES、POPSO、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、TAPS、TAPSO、TES、トリシン、およびTRIZMAのうちの1若しくはそれ以上から成る群から選択されるものである。
請求項134
請求項129記載の霧化液体粒子において、前記pH緩衝剤は、リン酸ナトリウムである。
請求項135
医薬的に許容されるニトライト化合物の治療有効量の肺床への送達を、そのような送達が必要な被験者において行う方法であって、(a)約7.0から約9.0のpHを有する水溶液を含むニトライト化合物製剤を霧化して、約0.1から約5マイクロメートルの体積平均径の液体粒子を含むエアロゾルを形成する段階であって、該水溶液が、(i)約0.667mgNO2−/mLから約100mgNO2−/mLの亜硝酸ナトリウムと、(ii)約0.1mMから約2.0mMのサッカリンナトリウムと、(iii)約0.1mMから約5.0mMのリン酸ナトリウムとを含むものである前記霧化段階と;(b)(a)のエアロゾルを吸入によって投与し、それによってニトライト化合物の治療有効量を肺床に送達する段階とを含む、方法。
請求項136
請求項135記載の方法において、前記投与は、肺床へのニトライト化合物送達のピーク期間が吸入の開始後60分以内の投与を含むものである。
請求項137
請求項135記載の方法において、前記投与は、肺床へのニトライト化合物送達のピーク期間が吸入の開始後35分以内の投与を含むものである。
請求項138
請求項135記載の方法において、前記投与は、肺床へのニトライト化合物送達のピーク期間が吸入の開始後25分以内の投与を含むものである。
請求項139
請求項135記載の方法において、前記投与は、肺床へのニトライト化合物送達のピーク期間が吸入の開始後15分以内の投与を含むものである。
請求項140
請求項135記載の方法において、前記投与は、肺床へのニトライト化合物送達のピーク期間が吸入の開始後10分以内の投与を含むものである。
請求項141
請求項135記載の方法において、前記投与は、肺床へのニトライト化合物送達のピーク期間が吸入の開始後5分以内の投与を含むものである。
請求項142
肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤組成物であって、(a)約7.0から約9.0の最終pHを有する溶液に少なくとも90mg/mLの濃度で溶解された亜硝酸ナトリウムと、(b)約0.1mMから約2.0mMの濃度のサッカリンナトリウムと、(c)約0.1mMから約5.0mMの濃度のリン酸ナトリウムとを含む、組成物。
請求項143
肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤組成物であって、(a)少なくとも70mg/mLの濃度で溶解された亜硝酸ナトリウムを含む溶液であって、約7.0から約9.0の最終pHを有するものである該溶液と;(b)約0.1mMから約2.0mMの濃度のサッカリンナトリウムと;(c)約0.1mMから約5.0mMの濃度のリン酸ナトリウムとを含む、組成物。
請求項144
肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤組成物であって、(a)少なくとも50mg/mLの濃度で溶解された亜硝酸ナトリウムを含む溶液であって、約7.0から約9.0の最終pHを有するものである該溶液と;(b)約0.1mMから約2.0mMの濃度のサッカリンナトリウムと;(c)約0.1mMから約5.0mMの濃度のリン酸ナトリウムとを含むことを特徴とする、組成物。
請求項145
肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤組成物であって、(a)少なくとも30mg/mLの濃度で溶解された亜硝酸ナトリウムを含む溶液であって、約7.0から約9.0の最終pHを有するものである該溶液と;(b)約0.1mMから約2.0mMの濃度のサッカリンナトリウムと;(c)約0.1mMから約5.0mMの濃度のリン酸ナトリウムとを含む、組成物。
請求項146
肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤組成物であって、(a)少なくとも20mg/mLの濃度で溶解された亜硝酸ナトリウムを含む溶液であって、約7.0から約9.0の最終pHを有するものである該溶液と、(b)約0.1mMから約2.0mMの濃度のサッカリンナトリウムと、(c)約0.1mMから約5.0mMの濃度のリン酸ナトリウムとを含む、組成物。
請求項147
肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤組成物であって、(a)少なくとも10mg/mLの濃度で溶解された亜硝酸ナトリウムを含む溶液であって、約7.0から約9.0の最終pHを有するものである該溶液と;(b)約0.1mMから約2.0mMの濃度のサッカリンナトリウムと;(c)約0.1mMから約5.0mMの濃度のリン酸ナトリウムとを含むことを特徴とする、組成物。
請求項148
肺送達のための医薬的に許容されるニトライト化合物製剤組成物であって、(a)少なくとも5mg/mLの濃度で溶解された亜硝酸ナトリウムを含む溶液であって、約7.0から約9.0の最終pHを有するものである該溶液と、(b)約0.1mMから約2.0mMの濃度のサッカリンナトリウムと、(c)約0.1mMから約5.0mMの濃度のリン酸ナトリウムとを含む、組成物。
請求項149
請求項111、142、143、144、145、146、147および148のいずれか1つに記載のニトライト化合物製剤組成物において、肺送達は、吸入によるものである。
請求項150
請求項123および127のいずれか1つに記載のニトライト化合物製剤または請求項129記載の霧化液体粒子において、このニトライト化合物製剤またはこの霧化液体粒子は、吸入による肺送達のためのものである。
請求項151
肺動脈性高血圧または虚血性再潅流傷害を治療する方法であって、請求項111および142から148のいずれか1つに記載のニトライト化合物製剤組成物または請求項119、123および127のいずれか1つに記載のニトライト化合物製剤の治療有効用量を、その必要がある被験者に投与することを含むことを特徴とする、方法。
請求項152
請求項151記載の方法において、虚血性再潅流傷害は、冠動脈性心疾患、脳卒中または移植に関連したものである。
請求項153
請求項151記載の方法において、肺動脈性高血圧(pulmonaryarterialhypertension:PAH)は、I群PAH、II群肺高血圧(肺静脈性高血圧)、III群肺高血圧(肺疾患および/または低酸素血症に関連した肺高血圧)、IV群肺高血圧(慢性血栓性および/または塞栓性疾患に起因する肺高血圧)、または組織球症X、リンパ管腫症、および肺血管の収縮を引き起こす他の病状を含む、V群肺高血圧である。
請求項154
キットであって、(a)医薬的に許容されるニトライト製剤であって、7.0より高いが9.0より低い最終pHを有する、および(i)約0.667mgNO2−/mLから約100mgNO2−/mLの濃度のニトライト化合物と、(ii)味マスキング剤と、(iii)pH緩衝剤とを含有するニトライト化合物水溶液を含むものである前記ニトライト製剤と;(b)(a)のニトライト製剤をエアロゾル化することに適しているネブライザとを有する、キット。
請求項155
請求項154記載のキットにおいて、味マスキング剤は、サッカリンナトリウムである。
請求項156
請求項155記載のキットにおいて、pH緩衝剤は、リン酸ナトリウムである。
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